爆サイの書き込みにお悩みの方へ:誹謗中傷投稿の削除方法と投稿者を特定する手段を解説
2025年4月30日
「爆サイ」への書き込みでお困りではありませんか?地域に特化した掲示板として多くの利用者がいる爆サイには、残念ながら悪意のある誹謗中傷やプライバシーを侵害する投稿も少なくありません。こうした書き込みは、個人の名誉や信用を傷つけ、精神的な苦痛や経済的な打撃を与える可能性があります。
この記事では、爆サイの投稿を削除する方法、そして必要であれば投稿者を特定するための具体的な手段について詳しく解説します。心ない書き込みに苦しんでいる方が、適切な対処法を知り、一歩踏み出すための一助となれば幸いです。
爆サイとは?その特徴と誹謗中傷のリスク
爆サイは「日本最大級のローカルクチコミ掲示板」と称しており、地域に 特化している点が最大の特徴です。全国各地の市町村版に細分化されたカテゴリがあり、その地域に関する様々な話題が書き込まれています。
利用者は主に20代から40代の男女で、スマートフォンの利用が8割を超えています。匿名で書き込めるため、ニュースやトレンド、趣味など様々な情報交換が行われる一方、地域に密着していることから、実在する会社、店舗、そして個人に関する具体的な投稿が多くなりがちです。
一見、伏字やあだ名が使われている投稿でも、前後の文脈やその地域を知っている人にとっては、誰のことを書いているのか容易に特定できるケースが少なくありません。このように個人が特定できる状態(同定可能性)にある投稿は、誹謗中傷やプライバシー侵害といった問題につながるリスクが高いといえます。
爆サイで問題となりやすい書き込みの例:
他人の権利を侵害する行為:
名誉、社会的信用、プライバシー、肖像権、パブリシティ権、著作権その他の知的財産権などを侵害するもの。事実を摘示して名誉を傷つける「名誉毀損」や、事実を摘示せず人を侮辱する「侮辱」などがこれにあたり、刑法上の犯罪に該当する可能性や、民事上の損害賠償請求の対象となる可能性があります。
個人が特定できる情報:
本名、住所、メールアドレス、電話番号の記載など。ただし、一般公開されている情報や公人に関する情報は削除対象とならない場合があります。個人情報に加えて侮辱や事実と異なる内容が含まれる場合に、プライバシー侵害として削除対象となる可能性が高まります。
不適切な投稿:
犯罪予告、自殺への誘引、その他他人を威迫・脅迫する内容など。特に地域密着型のため、特定の個人を特定した脅迫的な書き込みが多い傾向があるようです。
インターネット上の誹謗中傷は社会問題化しており、侮辱罪の法定刑引き上げやプロバイダ責任制限法の改正など、法的な対応が進んでいます。無責任な書き込みであっても、適切な手続きを踏めば投稿者を特定できる可能性が高まっています。
爆サイの書き込みを自分で削除する方法
自分に関する悪意のある書き込みを見つけた場合、まずは自分で爆サイの運営側に削除を依頼することを考える方が多いでしょう。
自分で削除依頼する基本的な流れ:
1.爆サイに会員登録・ログインする:
削除依頼を行うには、爆サイへの会員登録が必要です。削除したい投稿があるスレッドの下部にある「削除依頼」ボタンをクリックすると、会員登録またはログイン画面が表示されます。メールアドレスやSNSアカウント等で登録が可能です。
2.削除依頼フォームにアクセスする:
会員登録・ログイン後、「削除依頼」ボタンからフォームにアクセスします。
3.必要事項を入力する:
フォームには以下の情報を入力します:
スレッドNo.・タイトル:削除したい投稿が含まれるスレッドの番号とタイトルです。フォームに自動入力されることが多いようです。
レス番号:削除したい特定の投稿(レス)の番号を入力します。スレッド全体を削除したい場合は「0」を入力します。一度の申請で削除できるレスは1つだけなので、複数の投稿を削除したい場合はレスごとに申請が必要です。
通報区分:投稿がどのような問題にあたるか、以下の区分から選択します:個人情報の記載、業者からの宣伝、連続投稿、カテゴリー違い、その他(悪意のある口コミ・誹謗中傷など)。権利侵害にあたる書き込みの場合は、「個人情報の記載」か「その他」を選ぶのが一般的です。
名前・メールアドレス:会員登録時の情報が表示されます。
削除依頼理由:投稿を削除してほしい理由を具体的かつ簡潔に記載します。概ね750字以内とされています。
4.削除依頼理由の書き方:
運営側が削除に応じるか判断できるように、どの書き込みのどの部分が、具体的に爆サイの利用規約のどの禁止事項に違反しているのか、あるいは法律に抵触しているのかを明確に記述することが重要です。感情的な表現は避け、事務的な記載を心がけましょう。例えば、名誉毀損であれば「当該投稿は名誉毀損に該当し、かつ、利用規約第3条【禁止事項】(1)5に抵触するものです」といった趣旨を記載することが考えられます。
5.送信する:
入力内容を確認し、同意のチェックを入れて送信します。
自分で 削除依頼する際の注意点:
時間がかかる場合がある:
爆サイは72時間を目安に削除依頼に対応するとされていますが、それ以上に時間がかかることもあります。ただし、個人情報(電話番号や住所)の記載など緊急性の高いものは早めに削除される可能性があるようです。
削除は運営側の判断に委ねられる:
削除依頼フォームからの申請は、あくまで運営側の自主的な削除を求めるものです。投稿が利用規約に違反していないと運営側が判断した場合や、申請に不備がある場合は削除されないこともあります。
連続した依頼は避ける:
早く削除してほしいと焦って、同じ書き込みに対して72時間以内に複数回依頼したり、威圧的な言葉遣いで依頼したりすることは避けましょう。業務妨害と判断され、今後の依頼に対応してもらえなくなる(禁止リスト登録される)リスクがあります。
スレッドごとの削除は難しい:
原則として、削除依頼は問題のある個別の投稿(レス)に対して行われます。スレッドそのものを削除してもらうのは、スレッド内のすべての投稿が利用規約違反に該当するなどの特別な条件がないと難しいことが多いです。健全な書き込みも含まれている場合、スレッド全体の削除は表現の自由に対する過度な制約となる可能性があるためです。ただし、スレッドタイトル自体に個人名や電話番号、犯罪予告が含まれる場合は、スレッド全体が削除対象となる可能性があります。
削除すると投稿者特定が難しくなる場合がある:
最も重要な注意点の一つです。投稿が削除されると、書き込みに関するログ(IPアドレスなど)が消されてしまう可能性があります。将来的に投稿者を特定して損害賠償請求や刑事告訴を検討したい場合は、削除依頼の前に証拠を保全するか、投稿者特定の手続き(発信者情報開示請求)を優先することを慎重に検討すべきです。
自分で削除できない場合や投稿者特定も視野に入れるなら
自分で削除依頼をしても削除されない場合や、より確実に削除したい、あるいは書き込みをした人物を特定して責任を追及したいと考える場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。
弁護士に依頼するメリット:
専門知識に基づく正確で迅速な対応:
弁護士はインターネット上の権利侵害に関する法律や手続きに詳しいため、状況を正確に判断し、適切な対応を迅速に行うことが期待できます。誹謗中傷対策はスピードが求められるため、大きなメリットです。
様々な手段による削除交渉:
弁護士は、運営への任意の削除依頼だけでなく、「プロバイダ責任制限法」に基づく送信防止措置依頼や、裁判所への削除の仮処分申立てなど、複数の法的手段を講じることができます。これらの手段は、個人の削除依頼よりも運営側が真剣に受け止め、対応に応じる可能性を高めます。
手続きの代行:
削除依頼や法的な手続きに必要な書類作成や手続きを弁護士が代行してくれるため、被害者自身の負担や時間を大幅に削減できます。
投稿者特定のサポート:
削除だけでなく、投稿者を特定する発信者情報開示請求の手続きも弁護士に依頼できます。この手続きは個人で行うのが非常に難しいため、専門家である弁護士のサポートが不可欠です。
弁護士による削除依頼の方法:
1.弁護士を通じた運営への任意の削除依頼:
弁護士から爆サイの運営に対して、法的根拠を示しつつ削除を要請します。
2.プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置依頼:
爆サイには「弁護士・法務関連の申告窓口」という専用フォームが設けられており、弁護士はここを通じて法に基づいた削除依頼を行うことができます。
3.削除の仮処分申立て:
運営が任意の依頼に応じない場合、裁判所に削除の仮処分を申し立てることができます。裁判所が削除の必要性を認めると、運営側に対して仮の削除命令が出され、ほとんどの場合これに従って削除が行われます。この手続きは裁判所を通すため時間と費用がかかりますが、削除の確実性は高い方法です。
爆サイの書き込みをした人物を特定する方法(発信者情報開示請求)
誹謗中傷の書き込みをした人物を特定できれば、その人物に対して損害賠償請求を行ったり、刑事告訴をすることも可能になります。爆サイの投稿者は匿名であることがほとんどですが、適切な手続きを踏めば特定できる可能性があります。
発信者情報開示請求の基本的な流れ:
1.爆サイに対してIPアドレス等の開示を求める:
まず、爆サイの運営に対して、書き込みが行われた際のIPアドレス(インターネット上の住所のようなもの)やタイムスタンプ(日時)の開示を求めます。
爆サイは投稿者が誰かまでは知りませんが、書き込み時のIPアドレスは把握しています。
爆サイもウェブサイト上に発信者情報開示に関するフォームを設けており、ここから任意の開示を求めることができます。必要事項を記載し、認証メールの承認を経て、求められる書類(発信者情報開示請求書、印鑑登録証明書、本人確認書類、問題の書き込みの印刷物、返信用封筒など)を送付します。
ただし、爆サイが任意の開示に応じない可能性もあります。
2.接続プロバイダに対して契約者情報の開示を求める:
爆サイからIPアドレス等の情報が開示されたら、そのIPアドレスを割り当てた接続プロバイダ(インターネット接続業者)を特定します。次に、その接続プロバイダに対して、問題となっている書き込み時にそのIPアドレスを使用していた契約者の氏名や住所などの情報の開示を求めます。通常、この契約者が書き込みをした人物となります。
プロバイダ責任制限法の改正(2022年10月1日施行): この改正により、「発信者情報開示命令」という新たな裁判手続が可能になりました。従来は上記1と2の手順をそれぞれ独立した裁判手続きで行う必要がありましたが、改正後は1つの手続きの中で爆サイに対するIPアドレス等の開示命令や接続プロバイダの情報を提供するよう求める提供命令、そして接続プロバイダに対する契約者情報の開示命令などを求めることが可能になりました。この改正の目的は、権利侵害を受けた被害者の負担を軽減し、投稿者特定の期間を短縮することにあります。ただし、プロバイダ側が強く争う場合などは、従来の方法の方が早く開示される可能性もあるとされています。改正後も従来の方法による開示請求も可能です。