プロミスの借金で悩んでいる方へ ~個人再生で借金問題を解決する方法を徹底解説~
2025年5月3日
プロミスからの借金が膨らんでしまい、「もう返済していくのは難しいかもしれない…」と不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。借金問題は一人で抱え込まず、適切な手続きを踏むことで解決の道が開けます。その解決策の一つに、「個人再生」という方法があります。
この記事では、プロミスの借金でお悩みの方に向けて、個人再生とは何か、そのメリット・デメリット、手続きの流れ、費用、そしてプロミスからの借金がある場合の注意点などを、専門家監修の情報を基に分かりやすく解説します。この情報を参考にして、あなたの借金問題を解決するための第一歩を踏み出してください。
個人再生とは? 借金を大幅に減額し、生活を立て直すための法的手続き
個人再生とは、借金が返済できなくなるおそれがあることを裁判所に認めてもらい、借金を大幅に減額した上で、原則として3年(最長で5年)かけて返済していく法的な手続きです。民事再生法に基づいた手続きであり、債務整理の方法の一つです。
個人再生の大きな特徴は、住宅などの財産を維持したまま借金を減額できる可能性があることです。また、自己破産のように借金がゼロになるわけではありませんが、借金の元本を大幅に(5分の1から10分の1程度、または80%程度)減額できる可能性があります。
借 金の金額が大きく、すべてを返済することが難しいものの、処分されたくない高価な財産(主に住宅)を所有している方や、自己破産をすると現在の職業を続けられなくなる場合に適している手続きと言えます。
プロミスの借金とは? 消費者金融または保証会社としての借入
プロミスは、SMBCコンシューマー・ファイナンスが展開する消費者金融ブランドです。プロミスからの借金は、直接プロミスからお金を借りた場合のほか、三井住友系の銀行カードローンなどを利用していて、プロミス(SMBCコンシューマー・ファイナンス)がその保証会社になっている場合も含まれます。特に、SMBCコンシューマー・ファイナンスは、複数の銀行のカードローンの保証会社となっていることが多いので注意が必要です。
銀行カードローンの返済が滞ると、保証会社であるプロミスがあなたの代わりに銀行へ借金を一括返済します。これを「代位弁済」といいます。代位弁済が行わ れると、あなたの借金相手は銀行からプロミスに代わり、プロミスに対して借金を返済していくことになります。
なぜプロミスの借金で個人再生を検討するのか?
プロミスからの借金で個人再生を検討するケースは、以下のような状況が考えられます。
借金の総額が大きい:プロミスからの借入額や、他の借入先も含めた借金総額が大きく、収入だけでは返済が困難になっている場合です。ソースの事例では、仮想通貨投資の失敗で3000万円の債務を負い、そのうち2000万円以上がプロミスだったケースが紹介されています。
住宅や車など、手放したくない財産がある:特に持ち家がある場合、個人再生の住宅ローン特則を利用することで、家を手放さずに借金を整理できる可能性があります。車についても、ローンを完済していれば残せる場合があります。
安定した収入がある:個人再生では、減額された借金を原則3年(最長5年)で返済していく必要があるため、継続的に収入を得られる見込みがあることが条件となります。
自己破産による職業制限を避けたい:警備員や宅建士など、特定の職業は自己破産の手続き中に制限されることがあります。このような職業に就いている方で、仕事を続けたい場合に個人再生が選択肢となります。
借金の理由が浪費やギャンブルである:自己破産の場合、借金の理由が浪費やギャンブルだと「免責不許可事由」にあたり、借金が免除されない可能性があります。一方、個人再生では借金に至った経緯は問われません。ソースの事例では、パチンコや競馬での借金が理由のケースでも個人再生が認められています。
上記のような状況に当てはまる場合、プロミスの借金問題に対して個人再生が有効な解決策となる可能性があります。
個人再生のメリット:借金の大幅減額と財産維持
個人再生には、借金に悩む方にとって大きなメリットがいくつかあります。
1. 借金を大幅に減額できる可能性がある
裁判所に個人再生の手続きが認められると、借金の総額が80%程度、あるいは5分の1から10分の1程度にまで減額される可能性があります。これにより、完済の見通しが立つ方も多いです。
ただし、借金の金額によって最低限返済しなければならない金額(最低弁済額)が法律で定められています。
借金総額が100万円未満の場合:全額返済
借金総額が100万円以上500万円未満の場合:100万円を返済
借金総額が500万円以上1500万円未満の場合:借金総額の5分の1を返済
借金総額が1500万円以上3000万円未満の場合:300万円を返済
借金総額が3000万円以上5000万円未満の場合:借金総額の10分の1を返済
例えば、借金が600万円の場合、最低弁済額は借金総額の5分の1である120万円となります。これを3年(原則)から5年かけて返済していくことになります。600万円の借金が120万円に減額されれば、月々の返済額は約3万3000円となります。ソースの事例では、490万円の借金が100万円に減額され、月々の返済額が12万4000円から2万7000円になったケース が紹介されています。
2. マイホームや車を残したまま借金を減額できる可能性がある
自己破産の場合、一定以上の価値のある財産は処分されてしまいますが、個人再生では原則として財産が処分されません。
特に住宅については、住宅ローンが残っていても「住宅資金特別条項(住宅ローン特則)」を利用することで、家を手放さずに住み続けることが可能です。住宅ローン特則を利用するには、いくつかの条件があります。例えば、個人再生をする本人が所有・居住していること、住宅ローン以外の抵当権がついていないことなどです。住宅ローンは個人再生による減額の対象にはなりませんが、返済期間を延長して月々の負担を減らすなどの救済措置もあります。ソースの事 例では、住宅ローン返済中の方が個人再生で自宅を維持できたケースが紹介されています。
車についても、カーローンを完済している場合は、車を手放す必要はありません。ローン支払い中の車の場合、車の所有者がローン会社になっていると引き揚げられる可能性がありますが、銀行や信用金庫のローンで本人に所有権があるケースなど、残せる場合もあります。
3. 借金の理由が問われない
自己破産では、浪費やギャンブルなどが免責不許可事由となる可能性がありますが、個人再生では借金に至った経緯は再生計画の不認可事由に含まれていません。ソースの事例のように、パチンコや競馬が借金の理由であっても手続きが認められることがあります。
4. 資格・職業の制限がない
自己破産の手続き中には、弁護士や税理士、警備員など特定の資格や職業に就くことが制限されます。個人再生にはこのような資格・職業の制限はありません。手続き中も現在の仕事を続けることができます。
個人再生のデメリット:注意すべき点
個人再生には多くのメリットがある一方で、いくつか注意しておくべきデメリットもあります。
1. 返済を継続しなければならない
自己破産のように借金がゼロになるわけではなく、減額された借金を原則3年(最長5年)かけて返済していく必要があります。そのため、手続き後も安定した収入が必要です。また、借金を100万円未満に圧縮することはできません。
2. 信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)
個人再生をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリストに載る」状態になります。事故情報が抹消されるまでの目安である5年~10年間は、新たにクレジットカードを作ったり、ローンやキャッシングを利用したりすることが難しくなります。ただし、デビットカードやデポジット形式のETCカードは引き続き使用できる場合があります。
3. すべての債務が手続きの対象となる
個人再生では、特定の借入先だけを選んで手続きすることはできません。すべての債権者(借入先)が手続きの対象となります。
4. 保証人がいる借金の場合、保証人に迷惑がかかる
手続きの対象となるすべての借金には、保証人がついている借金も含まれます。個人再生によってあなたの借金が減額されても、保証人には減額されない元の借金額について一括請求されることになります。保証人には事前に個人再生をすること、そして保証債務を履行してもらう必要があることを伝える必要があります。
5. 官報に掲載される
個人再生をした人の氏名や住所などが、国の機関紙である「官報」に掲載されます。掲載されるタイミングは、主に開始決定後、書面決議の決定後、認可決定後の3回です。ただし、官報は一般の人が日常的に見るものではないため、官報を通じて家族や知人に知られる可能性は低いと言えます。
6. 手続きが複雑で、費用と時間がかかる
個人再生は、自己破産や任意整理と比較して手続きが最も複雑とされています。裁判所に提出する書類が多く、手続きには約6ヶ月から1年(弁護士に依頼した場合は約5~6ヶ月)程度の期間を要します。専門家(弁護士や司法書士)に依頼する場合、費用も比較的高額になる傾向があります。
プロミスの借金がある場合の個人再生:小規模個人再生と給与所得者等再生
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つの種類があり、それぞれに条件や特徴が異なります。プロミスの借金がある場合、どちらの手続きを選択するかが重要になることがあります。
小規模個人再生
将来的に継続または反復して収入がある方が利用できる一般的な手続きです。個人事業主や小規模事業を営んでいる方、会社員などが対象となります。借金総額が5000万円以下であることが条件です。
小規模個人再生の大きな特徴は、再生計画案について債権者による書面決議が行われ、債権者の過半数の同意(または再生計画案に不同意の議決権者の議決権の額が、議決権者の議決権の総額の2分の1を超えないこと)が必要となる点です。もし反対する債権者が半数を超えた場合、再生計画が否決され、手続きが認められません。
ソースのMさんの事例では、借金3000万円のうち2000万円以上がプロミスであり、プロミス1社で債権額の過半数を占めていました。この場合、もしプロミスが個人再生に反対すると、再生計画が否決されるリスクがありました。しかし、この事例ではプロミスは反対せず、減額が認められています。
給与所得者等再生
会社員のように、将来的に安定した収入があり、かつその収入の変動幅が少ないと認められる方が利用できる手続きです。借金総額が5000万円以下であることも条件です。
給与所得者等再生の最大の特徴は、再生計画について債権者の同意が不要である点です。債権者の過半数が反対しても手続きを進めることができます。このため、特定の債権者(例えばプロミス1社)が債権額の過半数を占めており、反対されるリスクが高い場合に利用されることがあります。
ただし、給与所得者等再生では、最低弁済額の基準として、可処分所得(収入から税金や最低限の生活費を差し引いた額)の2年分以上の金額を返済する必要があるという独自の基準があります。実際には、この可処分所得基準による金額が、小規模個人再生の最低弁済基準額や清算価値基準による金額よりも大きくなることがほとんどです。つまり、所得が高い方は、給与所得者等再生を選択すると、小規模個人再生よりも支払い額が高くなるデメリットがあります。
ソースのMさんの事例では、プロミスが過半数の債権を占めていましたが、可処分所得が高額だったため、給与所得者等再生を選択すると支払い額が高くなるという状況でした。債権者の反対リスクと支払い金額を比較検討した結果、反対リスクを取って小規模個人再生を選択し、結果的にプロミスが反対しなかったため、より多くの減額を実現できたとされています。
個人再生の手続きの流れ
個人再生の手続きは、一般的に以下のような流れで進みます。弁護士に依頼した場合の手続き期間は、裁判所への申立てから再生計画の認可決定までで約5~6ヶ月程度(東京地裁の場合)とされています。全体では約6ヶ月~1年、長い場合は1年~1年半程度かかることもあります。
専門家(弁護士や司法書士)への相談:まずは弁護士や司法書士に相談し、借金の状況や収入・財産、生活状況などを伝え、個人再生が自分に適した方法かどうかを判断してもらいます。無料相談を受け付けている事務所も多くあります。
依頼・受任通知の送付:専門家への依頼を決めた ら、委任契約を結びます。弁護士に依頼した場合、すぐに各債権者へ「受任通知」(または「介入通知」)が送付されます。この通知が届くと、債権者からの借金の督促や取り立て、本人への直接連絡は原則として止まります。
個人再生の申立て:必要書類を準備し、裁判所に個人再生の申立てを行います。負債の詳細リスト、財産の状況、家計状況、借入理由などを記載した書類が必要です。
個人再生委員の選任・打ち合わせ:裁判所によっては、手続きを補助するために個人再生委員が選任されます。申立人は個人再生委員と面談し、手続きの進め方や再生計画案について打ち合わせを行います。
再生計画案の作成・提出:減額された借金をどのように返済していくかという「再生計画案」を作成し、裁判所に提出します。専門家が代行またはサポートしてくれます。
裁判所の審査・債権者の書面決議(小規模個人再生の場合):裁判所が提出された再生計画案を審査します。小規模個人再生の場合は、債権者に対し再生計画案が送付され、同意を得るための書面決議が行われます。
再生計画の認可決定:再生計画案が法律の要件を満たしており、債権者の同意(小規模個人再生の場合)が 得られれば、裁判所が再生計画の認可決定を行います。これにより、再生計画に沿った返済が義務付けられます。
返済の開始:認可決定を受けた再生計画に基づき、借金の返済が始まります。原則3年(最長5年)で返済を行います。弁護士に依頼している場合、多くの事務所では弁護士事務所に毎月振り込むことで、代わりに各債権者へ返済を代行してもらうサービスがあります。
手続きの完了:全ての返済が完了すると、個人再生の手続きは完了となります。
個人再生にかかる費用:弁護士費用と裁判所費用
個人再生には、弁護士や司法書士といった専門家に支払う費用と、裁判所に支払う費用がかかります。個人再生にかかる費用の総額は、おおよそ50万円~90万円程度が相場とされています。
1. 弁護士費用
弁護士費用は、約50万円~60万円程度が相場であり、個人再生にかかる費用の大半を占めます。弁護士費用には、主に以下の項目があります。
相談料:法律相談をする際に発生する費用です。無料相談を行っている事務所も多くあります。
着手金:個人再生の手続きを弁護士に依頼する際に支払う費用です。相場は30万円程度~とされています。
報酬金:個人再生の手続きが成功し、裁判所から再生計画の認可決定を受けた際に支払う費用です。住宅ローン特則を利用する場合は、その分費用が多くかかるのが一般的です。住宅なしの場合は20万円程度~、住宅ありの場合は30万円程度~が目安とされています。
司法書士に依頼した場合、費用は弁護士よりやや安い傾向にあり、相場は20万円~30万円程度とされています。ただし、司法書士ができる業務は書類作成などに限られ、債権者との交渉や裁判所への申立てを 代行してもらうことはできません。また、自身で申立てを行うと裁判所に支払う費用が高くなる場合もあり、総額では弁護士に依頼した方が安くなることもあります。
2. 裁判所費用
裁判所に支払う費用は、数万円~25万円程度が目安となります。主な項目は以下の通りです。
予納金(官報掲載料):官報に個人再生に関する情報が掲載されるための費用です。1万3000円程度が目安です。
申立手数料(収入印紙):裁判所に個人再生を申立てる際に必要な手数料です。1万円程度が目安です。
郵便切手(通知呼出料等):債権者への通知などに使用する郵便切手代です。2000円~5000円程度分が目安です。
個人再生委員の報酬:東京地方裁判所など一部の裁判所では、個人再生委員が選任され、その報酬として15万円~25万円ほどが別途必要となります。この費用は申立て後に分割で積み立てる場合が多いです。裁判所によっては、個人再生委員が選任されない場合もあります(弁護士が代理人となる場合など)。
3. 費用の分割払いや後払いは可能か?
多くの弁護士事務所では、個人再生にかかる費用の分割払いや後払いに応じています。弁護士に依頼すると、債権者からの督促が止まり、その分の支払いが不要になるため、そのお金を弁護士費用に充てることが可能になります。例えば、10回の分割払いであれば、月々5万円~6万円程度の支払いが目安となります。費用が心配で手続きをためらっている方も、まずは相談してみるのが良いでしょう。
4. 費用を抑える方法
個人再生の費用を抑える方法として、以下の二つがあります。
法テラスを利用する:「法テラス(日本司法支援センター)」は、経済的に余裕がない方向けに無料の法律相談を行い、弁護士・司法書士費用の立て替え(分割払い)も行っています。利用条件を満たせば、費用負担を抑えることができます。弁護士・司法書士費用は、原則として月額5000円~1万円程度で法テラスに分割払いできます。
司法書士に依頼する:前述の通り、司法書士に依頼する場合、弁護士よりも費用が安い傾向にあります。ただし、司法書士は書類作成しか行えないため、自分で裁判所とのやり取りをする必要がある点に注意が必要です。
個人再生ができないケース・向いている人
個人再 生は誰でも利用できるわけではありません。手続きができる条件や、手続きが向いている人・向いていない人がいます。
個人再生ができないケース
以下のようなケースでは、個人再生の手続きができない可能性があります。
住宅ローンを除く借金総額が5000万円を超えている:個人再生の最も基本的な条件の一つです。
安定した収入がない:減額後の借金を返済していく必要があるため、安定した収入が見込めない場合は手続きができません。
このままでは借金が返済できなくなるおそれがある状況にない:返済困難な状況でない場合、手続きの必要性が認められません。
高額な財産を所有している:清算価値保証の原則により、所有する財産の合計額以上の金額を返済する必要があるため、財産が高額すぎると減額幅が小さくなり、手続きのメリットがなくなる場合があります。
借金が80%ほど減額されても、返済の見込みが立たない:手続き後の返済が困難であると判断される場合、再生計画が遂行される見込みがないとして不認可となる可能性があります。
申立て費用や専門家費用が準備できない:手続きを進めるためには、一定の費用が必要です。ただし、多くの事務所では分割払いが可能です。
住宅ローンを除く借金総額が100万円未満:借金総額が100万円未満の場合、最低弁済額が借金全額となるため、個人再生を行っても借金は減額されません。
上記に当てはまる場合でも、任意整理や自己破産といった他の債務整理方法であれば借金を整理できる可能性があります。
個人再生が向いている人
一般的に、以下のような人が個人再生に向いています。
住宅や車など、手放したくない財産がある
安定した収入がある
減額された借金を返済する意思がある
借金の理由が浪費やギャンブルである
警備員や宅建士など、自己破産だと資格・職業が制限される仕事をしている
借金総額が100万円以上5000万円以下である
自己破産や任意整理との違い
個人再生と、他の債務整理方法である任意整理や自己破産には、それぞれ異なる特徴があります。
任意整理:裁判所を介さず、債権者と直接交渉して将来利息のカットや長期分割払いを目指す手続きです。借金の元本自体は減額されません。裁判所手続きがない分、比較的簡単に短期間で終わりますが 、減額効果は個人再生や自己破産に比べて小さいです。利息が高くて返済が厳しいが、元金は返せる人に向いています。
自己破産:裁判所を介して、一部の債務を除きすべての借金の支払い義務を免除(免責)してもらう手続きです。借金が原則ゼロになる点が最大のメリットですが、一定以上の価値のある財産は処分されてしまいます。また、手続き中に資格・職業の制限がある点や、借金の理由によっては免責が認められない場合がある点もデメリットです。どうしても返済が不可能な人、財産がほとんどない人に向いています。
個人再生は、これらの手続きの中間に位置すると言えます。借金を大幅に減額しつつ(自己破産ほどではないが)、財産(特に住宅)を残せる可能性がある(任意整理や自己破産にはない特徴)手続きです。
個人再生後の返済と、返済が難しくなった場合の対処法
個人再生の手続きが完了し、再生計画が認可されると、減額された借金を再生計画案に基づき返済していくことになります。原則として3年(最長5年)での分割返済です。
弁護士に依頼した場合、多くの事務所では、あなたが弁護士事務所に毎月返済額をまとめて振り込むことで、弁護士事務所が各債権者へ個別に送金する返済代行サービスを提供しています。これにより、債権者ごとに振込を行う手間や、債権者と直接やり取りする手間が省けます。
もし、個人再生後の返済期間中に、失業や病気など予期せぬ事情で返済が難しくなった場合でも、いくつかの対処法があります。
再生計画の変更を裁判所に申し立てる:やむを得ない事情で返済が困難になった場合、返済期間を最長で2年まで延長するよう裁判所に申し立てることができます。
ハードシップ免責を裁判所に申し立てる:再生計画通りに返済を続けることが極めて困難であり、かつ、再生計画による返済額の4分の3以上を既に返済しているなどの要件を満たす場合に、裁判所の決定によって残りの借金の支払い義務を免除してもらうことができる制度です。ただし、ハードシップ免責を受けた後、一定期間(7年間)は自己破産や個人再生(給与所得者等再生)ができなくなるなどのデメリットもあります。
自己破産する:再生計画の変更やハードシップ免責の要件も満たせないほど返済が困難になった場合の最終手段として、自己破産の手続きをとることも可能です。ただし、この場合、一定以上の価値のある財産は処分されることになります。
こ のように、個人再生後も返済が続けられなくなった場合の救済措置が用意されています。
個人再生したことを家族や勤務先に知られる可能性
個人再生の手続きをしたことが、周囲の人に知られる可能性はゼロではありませんが、可能性は低いと言えます。知られる可能性があるケースとしては、以下が挙げられます。
官報を見る:前述の通り、官報に氏名や住所が掲載されます。しかし、官報は一般の方が日常的に見るものではないため、これを通じて知られる可能性は低いでしょう。
裁判所から送られてくる書類を家族が見る:裁判所から申立人本人宛に書類が送付されます。
家族が保証人になっている:保証人がいる場合、保証人に返済義務が移行するため、知られることになります。
借入先に勤務先が含まれる:例えば、会社の共済組合などから借り入れている場合、勤務先に知られる可能性があります。
弁護士に手続きを依頼した場合、裁判所から届く個人再生に関する書類は弁護士事務所に送付されるため、家族が書類を見て知ってしまうリスクを減らすことができます。
専門家(弁護士・司法書士)に相談・依頼するメリット
個人再生の手続きは複雑であり、専門的な知識が必要となるため、弁護士や司法書士といった専門家に相談・依頼することが強く推奨されます。専門家に相談・依頼することには、以下のような多くのメリットがあります。
手続きをほぼすべて任せられる:個人再生は提出書類が多く、手続きも複雑で手間がかかります。専門家が書類作成や裁判所、債権者とのやり取りを代行またはサポートしてくれるた め、手続きの負担を大幅に減らすことができます。特に再生計画案の作成は専門的な知識が必要です。
借金の督促・返済が一時ストップする:弁護士に依頼した場合、債権者に受任通知が送付された時点から、借金の督促や取り立てが原則として止まります。これにより、精神的な負担が軽減されます。
最適な債務整理の方法を提案してもらえる:弁護士や司法書士は、個人再生だけでなく、任意整理や自己破産など他の債務整理方法にも詳しく、あなたの借金の状況や収入、財産などを踏まえて、どの方法が最も適しているかをアドバイスしてくれます。
手続きの失敗リスクを軽減できる:個人再生の手続きや再生計画案には法律の要件を満たす必要があり、不備があると不認可となる可能性があります。専門家に依頼することで、法律の要件を満たした形で手続きを進められるため、失敗するリスクを減らすことができます。
費用の分割払いや後払いが可能:多くの事務所で費用の分割払いや後払い、無料相談に対応しているため、「お金がないから相談できない」と諦める必要はありません。
まとめ:プロミスの借金は個人再生で解決できる可能性がある
プロミスからの借金でお悩みの場合でも、個人再生は借金問題を解決するための有効な手段の一つです。特に、借金額が大きい方、住宅や車など手放したくない財産がある方、安定した収入がある方、自己破産による職業制限を避けたい方などに適しています。
個人再生を利用すれば、借金を大幅に減額し、原則3年(最長5年)で無理なく返済していくことが可能になります。また、住宅ローン特則を利用すれば、マイホームを守ることもできます。
ただし、個人再生にはブラックリストへの登録や官報掲載、保証人への影響といったデメリットもあります。また、プロミスが債権者の過半数を占める場合など、手続きの種類(小規模個人再生か給与所得者等再生か)の選択も重要になります。
借金問題は複雑で、一人で解決しようとすると行き詰まってしまうことも少なくありません。どの債務整理の方法が自分にとって最適なのか、手続きはどのように進めるのかなど、不安な点も多いかと思います。
借金問題解決の第一歩として、まずは専門家である弁護士や司法書士に相談してみることを強くお勧めします。多くの事務所では無料相談を受け付けており、あなたの状況に合わせた最適な解決方法を提案してくれます。
プロミスの借金に終わりが見えずお悩みの方は、ぜひ専門家の力を借りて、借金問題からの新しいスタートを切ることを検討してみてください。