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債務整理にかかる費用相場は?種類別の比較、費用が払えないときの対処法、専門家への依頼について徹底解説

2025年4月29日

債務整理にかかる費用相場は?種類別の比較、費用が払えないときの対処法、専門家への依頼について徹底解説

借金の返済に追われ、「今月の支払いができない…」と窮地に陥ったとき、債務整理を検討される方は多いのではないでしょうか。債務整理とは、借金の利息や元本を減らして、返済スケジュールを立て直す行為です。

しかし、「債務整理にはいくらかかるのだろう…」「その費用は払えるのか…」といった費用に関する不安から、専門家への相談や手続きをためらってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

ご安心ください。債務整理には種類があり、それぞれかかる費用が異なります。また、費用が手元にない場合でも、専門家への依頼は可能です。

この記事では、提供されたソースに基づき、債務整理にかかる費用の種類や相場、具体的な内訳、そして費用が払えない場合の様々な対処法について詳しく解説します。この記事を読めば、債務整理の費用に関する疑問が解消され、専門家に相談する第一歩を踏み出すことができるでしょう。

債務整理とは?借金問題を解決するための主な方法

債務整理とは、法的な手続きを通じて借金の負担を軽減したり、無理のない返済計画を立て直したりすることです。主な債務整理の方法には、以下の4種類があります。

  • 任意整理: 裁判所を介さず、債権者(貸金業者や金融会社など)と直接交渉し、将来利息のカットや返済期間の延長などを目指す方法。

  • 特定調停: 簡易裁判所の仲介のもと、調停委員を介して債権者と返済方法について話し合いを行う方法。

  • 個人再生: 裁判所に申し立てを行い、借金を大幅に(原則として5分の1~10分の1程度に)減額してもらい、原則3年(最長5年)で分割返済する方法。

  • 自己破産: 裁判所に申し立てを行い、借金返済の見込みがないことを認めてもらうことで、原則として借金の支払い義務を免除(ゼロにする)してもらう方法。

これらの手続きは、それぞれ特徴や必要な費用、かかる期間が異なります。

債務整理にかかる費用の平均相場を比較

債務整理にかかる費用は、どの手続きを選択するかによって大きく変わります。一般的に、弁護士や司法書士に依頼する場合の費用と、裁判所へ支払う費用があります。

手続きごとの費用の目安は以下の通りです。

手続きの種類

費用の目安

裁判所への申立費用

弁護士費用(着手金+報酬金)

任意整理

3万円~15万円程度

不要

1社あたり3万円~15万円程度

特定調停

1,000円程度

債権者1社あたり500円〜1,000円程度

なし(※弁護士に依頼する場合は別途必要)

個人再生

50万円~90万円程度 (目安50万円~80万円程度)

3万円~30万円程度 (目安1万円~25万円程度)

20万円~50万円程度 (目安20万円~30万円程度、住宅ローン特則利用で30万円~)

自己破産

50万円~130万円程度 (目安30万円~100万円以上)

1万円~50万円程度 (目安1,500円~50万円以上 ※手続きの種類による)

30万円~80万円程度 (目安30万円~80万円程度 ※報酬金含まずの場合もあり)

最も費用がかからないのは特定調停です。任意整理は裁判所費用がかからないため、個人再生や自己破産と比べて費用が比較的少ない手続きと言えます。個人再生と自己破産は裁判所を介した手続きのため、弁護士費用に加えて裁判所費用も必要となり、費用が高くなる傾向にあります。

任意整理にかかる費用の目安

任意整理は、弁護士や司法書士が代理人となり、債権者と直接交渉を行う手続きです。裁判所へ申し立てをする必要がないため、裁判所費用はかかりません

費用は主に弁護士や司法書士の費用で、交渉する債権者(借入先)の数によって費用が異なります。一般的に、1社あたり5万~15万円程度が目安とされています。

法テラスの任意整理費用目安では、債権者数に応じて着手金と実費が以下のように示されています。

債権者数

着手金

実費

合計

1社

33,000円

10,000円

43,000円

2社

49,500円

15,000円

64,500円

3社

66,000円

20,000円

86,000円

4社

88,000円

20,000円

108,000円

5社

110,000円

25,000円

135,000円

6~10社

154,000円

25,000円

179,000円

11~20社

176,000円

30,000円

206,000円

21社以上

198,000円

35,000円

233,000円

※実際の費用は事件の内容等により審査で決まります。着手金は事件の困難度等に応じて増減する場合があります。

松谷司法書士事務所では、任意整理の費用は1件目が33,000円、2件目以降は1件あたり29,000円(税込)と示されています。

債権者数

費用

1件のみ

33,000円(税込)

2件

62,000円(税込)

3件

91,000円(税込)

4件

120,000円(税込)

5件

149,000円(税込)

6件

178,000円(税込)

司法書士による任意整理の費用の相場は、一般的に1件につき2万円から5万円程度ではないかという記載もあります。

アディーレ法律事務所の任意整理費用は、1社あたり基本費用47,300円~(税込)、報酬金(解決報酬金、減額報酬金、過払金報酬金)が別途かかる形式です。弁護士法人・響の任意整理費用は、相談料無料で、着手金55,000円~、解決報酬金11,000円~、減額報酬金が減額分の11%(税込)と示されています。

任意整理では、原則として報酬金は発生しませんが、過払金を回収できた場合、報酬金が発生する場合があります。

個人再生にかかる費用の目安

個人再生は、裁判所を通した手続きであり、裁判所への申立費用と弁護士費用の両方がかかります。

費用の目安は50万円~90万円程度が相場となります。再生委員が選任されるかどうかによって費用が異なり、目安は50万円~80万円程度です。自宅を維持するために住宅ローン特則を利用する場合は、さらに10万円~20万円程度費用が上乗せとなる場合があります。

弁護士費用は、一般的に20万~50万円程度、または20万円~30万円程度が目安とされています。

弁護士法人・響の個人再生費用は、相談料無料で、着手金33万円~、報酬金は住宅なしの場合22万円~、住宅ありの場合33万円~(税込)と示されています。アディーレ法律事務所の個人再生費用は、相談料無料で、基本費用55万円、申立事務手数料55,000円(税込)が別途必要と示されています。

自己破産にかかる費用の目安

自己破産も裁判所を通した手続きであり、裁判所への申立費用と弁護士費用の両方がかかります。

費用の目安は50万円~130万円程度が相場となります。最低でも30万円以上必要とされています。破産手続の種類(同時廃止・少額管財・通常管財)によって費用は大きく変わります。

弁護士費用は、一般的に30万円~80万円程度、または30万~50万円程度が目安とされています。

弁護士法人・響の自己破産費用は、相談料無料で、着手金33万円~、報酬金22万円~(税込)と示されています。アディーレ法律事務所の自己破産費用は、相談料無料で、基本費用55万円~、申立事務手数料55,000円(税込)が別途必要と示されています。

自己破産では、免責が認められれば借金がゼロになる分、手続きにかかる手間や費用も大きいといえます。

特定調停にかかる費用の目安

特定調停は、裁判所の仲介のもとで行う手続きです。弁護士に依頼することなく利用できるため、弁護士費用が不要な点が特徴です。

ご自身で手続きを行った場合の費用は、総額1,000円程度が相場と言えます。費用は裁判所費用のみで、申立手数料(収入印紙)が債権者1社あたり500円、手続き費用(郵便切手)が債権者1社あたり500円分程度です。

ただし、特定調停でも必要に応じて弁護士に依頼しても問題ありません。弁護士に依頼した場合は、弁護士費用が10万~30万円程度必要になります。

債務整理の手続きごとの費用の内訳

債務整理の手続きにかかる費用には、いくつかの項目があります。ここでは、手続きごとの費用の内訳を詳しく見ていきましょう。

なお、費用は手続きをする裁判所や法律事務所によって異なります。

任意整理の費用の内訳

任意整理にかかる弁護士費用の内訳は以下のとおりです。

項目

金額

相談料

1時間につき1万円程度 (無料の場合も多い)

着手金

1社あたり2万~5万円程度 (法テラス: 33,000円~198,000円 (債権者数による)、弁護士法人・響: 55,000円~)

解決報酬金

1社あたり2万円以下(原則) (弁護士法人・響: 11,000円~)

減額報酬金

減額分の10%程度(原則) (アディーレ法律事務所: 減額または免除できた金額の11%、弁護士法人・響: 減額分の11%)

過払金報酬金

交渉の場合:回収額の20%以下 / 回収額の20%程度 裁判の場合:回収額の25%以下 / 回収額の25%程度 (アディーレ法律事務所: 話合い22%、訴訟27.5% (税込))

送金代行手数料

借入先1社につき月額1,000円程度

実費

交通費や宿泊費など事件処理のため実際にかかった経費

日本弁護士連合会(日弁連)により、解決報酬金は1社あたり原則2万円以下、減額報酬金は減額分の10%以下という報酬規定が示されています。

個人再生の費用の内訳

個人再生の手続きには、裁判所への申立費用と弁護士費用がかかります。

裁判所への申立費用の内訳

個人再生の裁判所への申立費用の内訳は以下のとおりです。

項目

金額

補足

収入印紙代(申立手数料)

1万円程度

申立書に貼付します。

郵便切手代(郵券代)

2,000円~5,000円程度

債権者への通知などに使用されます。

官報公告費用

12,000円~14,000円程度

官報に掲載するための費用です。

再生委員報酬(分割予納金)

15万円~25万円程度

再生委員が選任される場合に必要になります。借金総額が高額な場合や、弁護士などに依頼せず自分で申立てをした場合などに選任されることがあります。再生委員は、手続きがスムーズに行われるようアドバイスを行います。再生委員が選任された場合、費用が高額になります。

裁判所予納金(官報掲載料とは別)

1万3,000円程度


申し立て手数料(収入印紙とは別)

1万円程度


※申し立てる裁判所や債権者数により異なります。

弁護士費用の内訳

個人再生の弁護士費用の内訳は以下のとおりです。

項目

金額

補足

相談料

30分あたり5,000円~1万円程度 (無料の場合も多い)


着手金

20万円~ または 30万円程度 (弁護士法人・響: 33万円~)


報酬金

20万円~30万円程度 または 20万円~ (住宅ローン特例なし: 20万円~、住宅ローン特例あり: 30万円~) (弁護士法人・響: 住宅なし22万円~、住宅あり33万円~)

報酬金がかからない場合も多いです。一般的に、自宅を維持するために住宅ローン特例を使うケースでは、弁護士費用が高くなることが多いです。

個人再生は債務整理の中で最も難しい手続きの一つであり、弁護士か司法書士への依頼が前提とされています。

自己破産の費用の内訳

自己破産の手続きには、裁判所への申立費用と弁護士費用がかかります。

裁判所への申立費用の内訳

自己破産の裁判所への申立費用の内訳は以下のとおりです。

項目

金額

補足

収入印紙代(申立手数料)

1,500円程度

申立書に貼付します。

郵便切手代(郵券代)

4,000円~6,000円程度 または 3,000円~5,000円程度

債権者への通知などに使用されます。

官報公告費用

1万円~2万円程度 または 1万~1万5,000円程度

官報に掲載するための費用です。

引継予納金(破産管財人報酬)

同時廃止の場合:不要 少額管財の場合:20万円程度 通常管財の場合:50万円程度(負債額により異なる)

管財事件(少額管財・通常管財)の場合に必要となる破産管財人の報酬です。高価な財産がある場合や借金の理由に問題がある場合などに管財事件になることがあります。破産管財人は、破産者の財産を調査・管理・換価する役割を担います。管財事件の場合は予納金が必要になり、費用が高額になります。

予納金(官報掲載料とは別)

1万円程度(同時廃止) または 1万5,000円程度(管財事件)


※申し立てる裁判所や債権者数により異なります。

弁護士費用の内訳

自己破産の弁護士費用の内訳は以下のとおりです。

項目

金額

補足

相談料

30分あたり5,000円~1万円程度 (無料の場合も多い)


着手金

30万円~ または 30万~50万円程度 (報酬金含む場合あり) (弁護士法人・響: 33万円~)


報酬金

20万円~ または 20万~30万円程度

報酬金がかからない場合も多いです。一般的に、管財事件は同時廃止よりも手続き期間が長くなることが多く、弁護士費用も高額になる場合があります。自己破産で免責を確実にするためには、費用がかかっても弁護士に依頼することが重要と言えるでしょう。

特定調停の費用の内訳

特定調停にかかる費用は、主に裁判所費用のみです。

項目

金額

申立手数料

債権者1社あたり500円

手続き費用

債権者1社あたり500円分

※金額は裁判所によって異なる場合があります。

債務整理の費用が高いと感じたときの対処法

借金で悩んでいる状況では、債務整理の手続き費用をすぐに用意するのが難しい場合もあるでしょう。しかし、費用がないからといって債務整理を諦める必要はありません。費用が高いと感じたり、支払いに不安がある場合の対処法はいくつかあります。

法テラスを利用する

法テラス(日本司法支援センター)は、国によって設立された法的トラブルを解決するための総合案内所です。経済的に余裕のない方を対象に、無料の法律相談や弁護士費用などの立て替えを行っています(民事法律扶助業務)。

法テラスを介して弁護士を依頼すると、一般相場の3分の1程度の費用で依頼できる場合があり、さらに毎月5,000円からの分割払いが可能です。立て替えてもらった費用に利息はつかず、月々5,000円〜1万円程度の分割(原則3年以内)で返済することになります。生活保護受給中は立替費用の返済を猶予され、債務整理後も生活保護を受給する場合は返済が免除される制度もあります。

ただし、法テラスの民事法律扶助業務を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 月収や保有資産が一定額以下であること。単身者の場合、月収18万2,000円以下・資産が180万円以下(東京都特別区・大阪市などの地域の一例)といった基準があります。住んでいる地域や家族人数によって基準は変動します。住宅ローンや家賃、医療費や教育費などの負担がある場合は、収入基準を超えていても利用できる可能性があります。

  • 借金の減額や免除の見込みがあること(問題が解決する見込みがあること)。自己破産であれば、免責の決定がなされる可能性があるなど、勝訴の見込みがあることが条件です。ギャンブルや投資による借金の場合、免責不許可事由に該当する可能性がありますが、裁量免責となるケースもあるため、まずは相談してみることが勧められています。

  • 民事法律扶助の趣旨に適すること。報復や宣伝目的ではなく、経済的に余裕がない人が法的トラブル解決のために援助を受けるという趣旨に合致する必要があります。

また、法テラスを利用する場合、原則として自分で依頼する弁護士を選ぶことはできません。ただし、法テラスと提携している弁護士に直接相談して、法テラスの制度を利用することは可能です。

法テラス・サポートダイヤル:0570-078374(おなやみなし) (IP電話からは03-6745-5600) 受付日時:平日9時から21時、土曜9時から17時 For Foreign Nationals ダイヤル:0570-078377 (平日9am to 5pm)

司法書士に依頼する

弁護士よりも司法書士に債務整理を依頼すると、少し費用が安くなる傾向があります。これは、司法書士への依頼が書類作成代理人の範囲となるため、相場が安くなるためです。日本司法書士会連合会の指針では、任意整理事件の定額報酬は債権者1社当たり5万円以下、減額報酬は減額分の10%以下と規定されています。

弁護士と同様に分割支払いも対応している事務所があるため、費用を抑えたい場合の選択肢となります。

ただし、司法書士には対応できる範囲に制限がある点に注意が必要です。

  • 1社あたり140万円を超える借金の法律相談・交渉・訴訟は行えません。司法書士が代理人として対応できるのは、1社140万円以下の簡易裁判所で扱う事件のみです。

  • 個人再生や自己破産の手続きにおいて、司法書士ができるのは裁判所に提出する書類作成のみに限られます。つまり、裁判所での面接や債権者とのやり取りは自分で行う必要があるということです。

  • 自己破産で管財事件となった場合、弁護士に依頼すると利用できる「少額管財手続き」を司法書士に依頼した場合は利用できません。少額管財は通常の管財事件よりも費用(予納金)を抑えることができる手続きです。

これらの違いから、書類作成の代行となるため依頼者が裁判所へ足を運ぶ必要がある場合や、すべてを代理できる弁護士とは違い、依頼者が手続きする時間と労力が必要となります。

少しでも費用を抑えたい場合は司法書士、丸ごとお任せするなら弁護士に依頼するのが良いでしょう。ただし、一概に司法書士の費用が安いわけではないため、複数の事務所から見積もりを取って比較検討することが大切です。

分割払いを利用する

債務整理の手続きを依頼する多くの人が、手元にまとまったお金がない状況です。そのため、一般的な弁護士事務所や司法書士事務所でも、弁護士費用や司法書士費用の分割払いに対応しています。

着手金は、委任契約時に支払うのが一般的ですが、一括での支払いが難しい場合は3〜6回程度の分割払いを認めてくれるケースが多いようです。事務所によっては、6〜12回程度の分割払いに対応している場合もあります。

債務整理の特性上、手元にお金がない人の利用が多いため、分割払いを受けてくれる事務所が多いのです。費用の支払いを分割にしてくれるなど、お金が十分になくても対応可能な支払方法を提案してもらえるでしょう。

債務整理の手続き(任意整理や個人再生)が終了した後は、減額された借金の返済が始まります。手続き後の分割払いと、手続きにかかった費用の分割払いが重なる可能性があるため、どちらの費用も無理なく支払えるよう綿密な計画を立てることが大切です。事務所によっては、先に専門家費用を支払い終えてから、債権者への返済を開始するようにタイミングを調整してくれる場合もあります。

債権者への支払いを一時ストップさせる(受任通知の活用)

弁護士や司法書士に債務整理を依頼すると、専門家から債権者へ受任通知が送付されます。受任通知とは、弁護士や司法書士が債務整理の依頼を受けたことを債権者に知らせる書類です。

この受任通知には法的な効力があり、債権者は受任通知を受領した時点から、債務者本人への直接の督促や取り立て、返済の請求を行うことができなくなります。これは貸金業法で定められています。

これにより、債務整理の手続きが完了するまでの間、借金の返済を一時的に止めることができます。手続きの開始から完了までにかかる期間は、任意整理で3〜6ヶ月程度、個人再生で1年〜1年半、自己破産で5ヶ月〜1年程度が目安とされています。この返済がストップしている期間に、これまで毎月返済に充てていたお金を、債務整理にかかる費用として積み立てることが可能になります。

積み立てた分だけでは費用を支払えない場合でも、分割払いや後払いを組み合わせることで、無理なく費用を支払うことができるでしょう。この方法で費用を積み立てることは、その後の債権者との交渉において、債務者に一定の支払い能力があることを示すことにも繋がり、交渉をスムーズに進める上で重要となる場合もあります。

ただし、受任通知を発送できるのは弁護士または司法書士のみです。自分で受任通知を送って借金の支払いを止めたいと思っても、自分ではできませんので注意しましょう。

自分で手続きする

弁護士費用や司法書士費用をかけたくない場合、債務整理の手続きを自分自身で行うという選択肢もあります。自分で行えば、弁護士費用がかからず、裁判所費用や書類申請費用等で済みます。

しかし、自分で債務整理を行う場合は複数のデメリットがあります

  • 手続きが複雑で専門的な知識が必要。債務整理の手続きは複雑で、法律の専門知識が必要です。個人で行うには、時間や手間をかけて情報収集を行いながら手続きを進める必要があります。

  • 債権者からの督促や取り立てが止まらない。自分で手続きをする場合、受任通知が送付されないため、債務整理中でも督促通知が止まりません。手続き中も返済を続けなければならず、滞納リスクが高まり、一括請求や差押えに発展する可能性もあります。

  • 専門家に依頼した場合ほど債務の減額は期待できない。法律の知識のない一般の人が貸金業者と直接交渉するとなれば、減額幅が小さいなど、不利な条件で和解に至ってしまうケースも考えられます。金融機関によっては、個人との交渉を認めていない場合もあります。

  • 不備による裁判や強制執行のリスクが高まる。適切に手続きができず、借金の減額や免責を得られないことがあります。

  • 過払い金を取り戻せない可能性がある。過去の取引履歴をもとに過払い金を計算する「引き直し計算」は複雑で、計算ミスをすれば本来取り戻せる過払い金が返還されない可能性があります。

  • 自己破産で「少額管財」が利用できない。弁護士に依頼した場合に利用できる費用を抑えられる少額管財手続きが、自分で手続きを行う場合は利用できません。

これらのデメリットから、自分で債務整理を行うことはあまり推奨されません。手続きに自信がない場合は、法律の専門家への依頼をおすすめします。

特定調停を利用する

特定調停は、裁判所の仲介のもと調停委員が債権者と債務者の間に入り、返済方法について話し合いを行う手続きです。弁護士に依頼する必要がないため、費用はかなり安く済みます。また、自己破産のように自宅などの財産を処分する必要もなく、これまでの生活を続けられます。

ただし、特定調停を行っても債務の金額は減額されません。また、手続きに時間がかかるうえ、成功率が低いというデメリットがあります。令和5年の司法統計では、特定調停の成立件数は申立て件数に対して17%程度でした。債権者が協力しなかったり、他の債務整理方法が妥当と判断されたりすると不成立となることがあります。

返済が滞った場合には、強制執行を受けることがあるため、特定調停にメリットがあるのか慎重に考える必要があります。

弁護士や司法書士に相談する

「費用が払えない」「お金の工面に不安がある」といった場合でも、弁護士や司法書士に相談することは可能です。経済的に余裕がないのは、専門家も承知しているため、様々な解決方法を見つけてくれます。費用の支払いを分割にしてくれるなど、お金が十分になくても対応可能な支払方法を提案してもらえるでしょう。

一人で抱え込まず、まずは気軽に相談することが、解決への第一歩となります。

費用倒れになるリスクは?弁護士費用が借金減額分を上回ることはある?

「債務整理で借金を減らしても、弁護士費用のほうが高額になってしまうのでは?」と費用倒れを心配される方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、実際に費用倒れになるケースは、ほとんどないと言えるでしょう。

例えば任意整理の場合、弁護士費用の内訳には「減額報酬金」という項目が含まれることがあります。これは、借金の減額に成功した場合に、その減額できた金額の一部を報酬として支払うというものです。このように、費用の大半が「減額に成功した金額の一部」を報酬として支払う形になるため、原則として減額分より弁護士費用が上回ることはないのです。

債務整理の経験豊富な弁護士であれば、依頼前に費用の見積もりとともに、いくら減額できるか事前に提示してくれるはずです。事務所によっては、もし費用倒れになってしまうような場合はあらかじめきちんと知らせてくれる場合もあります。

ただし、最近のニュースでは、一部の事務所による不適切な業務として、「借金額よりも多い費用を求められた」「任意整理でより負担が増えた」といった被害の例や、「借金が必ず減る」と誤認させるような誇大広告が報じられています。債務整理を行う際には、ご自身も正しい知識を身に着け、弁護士に依頼する際には、費用や減額について納得いくまで確認することが大切です。

債務整理は弁護士と司法書士のどちらに依頼すべき?費用と対応範囲の違い

債務整理は弁護士と司法書士のどちらにも依頼が可能ですが、それぞれ費用や対応できる範囲が異なります。どちらに依頼すべきかは、借金の金額や手続きの種類によって判断するのが良いでしょう。

内容

弁護士

司法書士

費用

司法書士より高くなる傾向

弁護士より安くなる傾向

対応できる借金額

制限なく対応可能

1社あたり元金140万円以下の債務に限り対応可能

対応できる手続き

任意整理、個人再生、自己破産の全てに対応可能

任意整理、個人再生、自己破産の全てに対応可能だが、制限がある

手続きの代理権

依頼者の代理人として全ての手続きを行える (交渉、裁判所の出廷なども可能)

書類作成代理人のみ(※1社140万円以下の簡易裁判所事件では代理権あり)

裁判所での対応

依頼者の代わりに出廷なども可能

基本的に依頼者自身が行う必要がある

自己破産における少額管財手続きの利用

弁護士に依頼した場合のみ利用可能

利用できない

少しでも費用を抑えたい場合は司法書士、1社140万円を超える借金がある場合や、手続きを丸ごとお任せして心身の負担を減らしたい場合は弁護士に依頼するのが良いでしょう

弁護士に依頼した場合、書類作成以外に債権者との交渉から依頼者の代理人としての出廷まで、全てを解決してもらえる安心感があります。自己破産で管財事件になった場合でも、弁護士が代理人であれば少額管財手続きを利用できる可能性があります。

一方、司法書士に依頼した場合は費用を抑えられますが、あくまで書類作成代理人となるため、依頼者の代わりに全ての手続きを代行することはできません。個人再生や自己破産は地方裁判所に申し立てるため、司法書士に依頼した場合でも、依頼者自身が裁判所に出向くなど手続きを行う必要があります。

債務整理の流れと費用を支払うタイミング

債務整理を弁護士や司法書士に依頼した場合の一般的な流れと、それぞれの段階で費用を支払うタイミングについて解説します。多くの事務所で分割払いが可能です。

任意整理の流れと費用を支払うタイミング

任意整理を専門家に依頼した場合の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 相談・依頼: 専門家に相談し、任意整理を依頼します。この際、委任契約締結時に着手金を支払います。分割払いが可能な事務所も多いです。

  2. 受任通知の送付: 専門家が債権者に受任通知を送付します。債権者が受領すると、督促や取り立て、返済が一時的にストップします。この返済がストップしている期間に、専門家費用を積み立てることができます。

  3. 利息の引き直し計算: 債権者から取引履歴を取り寄せ、利息の引き直し計算を行います。

  4. 返済計画の作成: 依頼人の収入や債務の状況に応じて、無理のない返済計画を作成します。

  5. 債権者との交渉: 作成した返済計画に基づき、将来利息のカットや返済期間の延長などを債権者と交渉します。

  6. 和解の成立: 債権者との合意に至れば和解契約書を作成・締結します。この和解成立時に、専門家へ報酬金を支払います

  7. 返済の開始: 和解の内容に従って、新たな返済を開始します。事務所によっては、専門家費用の支払いを終えてから債権者への返済を開始するように調整することもあります。

弁護士への依頼から和解成立までの期間は、6〜9ヶ月程度です。

個人再生の流れと費用を支払うタイミング

個人再生を専門家に依頼した場合の一般的な流れは以下の通りです。

  1. 相談・依頼: 専門家に相談し、個人再生を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います

  2. 受任通知の送付: 専門家が債権者に受任通知を送付し、督促や取り立てがストップします。この期間に専門家費用を準備できます。

  3. 利息の引き直し計算: 債権者から取引履歴を取り寄せ、引き直し計算を行います。

  4. 個人再生申立書の作成: 依頼人の状況に応じて、申立書などを作成します。

  5. 裁判所に個人再生申立て: 申立人の居住地域を管轄する地方裁判所に申し立てを行います。この際、申立て手数料や予納金などの裁判所費用を支払います。裁判所によっては、個人再生委員の報酬(分割予納金)を数ヶ月にわたって支払う場合があります。

  6. 個人再生手続きの開始決定: 申立書に問題がなければ、手続き開始が決定されます。

  7. 裁判所へ再生計画案を提出: 専門家と依頼人で再生計画案を作成し、提出します。

  8. 債権者による決議・意見聴取: 小規模個人再生では債権者の書面決議、給与所得者等再生では意見聴取が行われます。

  9. 裁判所が再生計画案の認可または不認可を決定: 再生計画どおりに返済できる見込みがあれば、認可決定となります。認可後に弁護士へ報酬金を支払います

  10. 返済の開始: 再生計画の内容に従って、新たな返済を開始します。

弁護士への依頼から裁判所による認可決定までの期間は、1年〜1年半程度にわたることが多いです。

自己破産の流れと費用を支払うタイミング

自己破産は、同時廃止事件と管財事件(少額管財事件含む)で流れが少し異なります。

同時廃止事件の流れ

財産が少なく、借金の理由などに問題がないと判断された場合の手続きです。

  1. 相談・依頼: 専門家に相談し、自己破産を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います

  2. 受任通知の送付: 専門家が債権者に受任通知を送付し、督促や取り立てがストップします

  3. 自己破産申立書の作成: 専門家が依頼人の状況を調査し、申立書などを作成します。

  4. 裁判所に自己破産を申立て: 申立人の居住地域を管轄する地方裁判所に申し立てを行います。この際、予納金などの裁判所費用を支払います

  5. 破産審尋: 裁判所で面接や審尋が行われます。弁護士に依頼している場合は代理で出廷することも可能です。

  6. 破産手続の開始決定: 申立書に問題がなければ、手続き開始が決定されます。同時廃止事件の場合、同時に手続きも終了となります。

  7. 意見申述期間: 免責について、債権者から意見を申述してもらいます。

  8. 免責許可決定(確定): 意見申述期間が経過したら、免責許可または不許可が決定となります。免責許可が決定となれば専門家に報酬金を支払います

弁護士への依頼から免責許可決定までの期間は、6ヶ月~1年程度です。自己破産の手続きの中で最も短期間で終わります。

管財事件・少額管財事件の流れ

一定以上の財産がある場合や借金の理由に問題がある場合などの手続きです。少額管財事件は、手続きを簡略化した管財事件で、弁護士に依頼した場合のみ利用できます。

  1. 相談・依頼: 専門家に相談し、自己破産を依頼します。委任契約締結時に着手金を支払います

  2. 受任通知の送付: 専門家が債権者に受任通知を送付し、督促や取り立てがストップします

  3. 自己破産申立書の作成: 専門家が依頼人の状況を調査し、申立書などを作成します。

  4. 裁判所に自己破産を申立て: 申立人の居住地域を管轄する地方裁判所に申し立てを行います。この際、予納金などの裁判所費用を支払います

  5. 破産審尋: 裁判所で面接や審尋が行われます。弁護士に依頼している場合は代理で出廷することも可能です。

  6. 破産手続の開始決定: 申立書に問題がなければ、手続き開始が決定されます。同時に少額管財事件または管財事件が決定されます。

  7. 破産管財人の選任: 裁判所が破産管財人を選任します。破産管財人は申立人の財産を調査し、必要に応じて財産を換価・配当します。この段階で引継予納金(破産管財人報酬)を支払います

  8. 債権者集会・免責審尋・配当: 債権者集会が開かれ、破産管財人が財産状況などを報告します。配当可能な財産があれば、債権者に配当します。免責審尋も行われます。

  9. 免責許可決定(確定): 免責審尋が終了したら免責許可または不許可が決定となります。免責許可が決定となれば専門家に報酬金を支払います

弁護士への依頼から免責許可決定までの期間は、管財事件では1年〜1年3ヶ月程度、少額管財事件で6~8ヶ月程度です。破産管財人による調査や債権者集会が行われるため、同時廃止事件よりも期間が長くなります。

債務整理を依頼する場合の注意点

債務整理を弁護士や司法書士に依頼する際は、いくつか注意しておきたい点があります。

最も大切なのは、借金の状況を隠さず洗いざらい話すことです。法律の専門家は、借金額や状況、依頼者の希望に応じて、最適な債務整理の手続きを選択します。正確な状況を伝えることで、より適切なアドバイスや手続きの選択が可能になります。

また、弁護士に依頼するときは、「債務整理にかかる費用はどれぐらいか」「どれぐらい借金が減るのか」「債務整理後に毎月どれぐらい支払いがあるのか」など、具体的な内容をしっかり確認することが大切です。

自己破産以外の手続き(任意整理や個人再生)では借金そのものはなくならず、減額された借金を返済していくことになります。そのため、債務整理手続きにかかった費用(分割払いの場合)と、債務整理後の借金の支払いが同時に発生する可能性があります。債務整理後の生活を踏まえて、無理のない支払い額となるように専門家と話し合っておきましょう

債務整理の費用と期間についてよくある質問

債務整理は何年で払う?

債務整理後の支払い期間は、3〜5年に設定するケースが一般的です。任意整理や個人再生では、減額後の借金を原則3年(36回分割払い)、最長5年(50回分割払い)で返済することを目標とします。

債務整理後いつからローンを組める?

債務整理を行うと、信用情報機関に事故情報が登録され(いわゆるブラックリスト)、一定期間は新たな借入れやローン、クレジットカードの利用などが難しくなります。

債務整理後にローンが組めるようになるのは、一般的に完済から5年後が目安とされています。信用情報機関に登録された事故情報は、一定期間が過ぎれば削除されるため、その後再びローンなどを組めるようになります。

債務整理は何カ月かかる?

債務整理にかかる期間は、手続き方法により異なります。

  • 任意整理: 3〜6カ月 (弁護士依頼の場合、和解成立まで6〜9ヶ月程度)

  • 特定調停: 3〜4カ月

  • 個人再生: 1年〜1年半

  • 自己破産: 5カ月〜1年程度 (同時廃止6ヶ月~1年、少額管財6~8ヶ月、管財事件1年〜1年3ヶ月程度)

ただし、これらはあくまで目安であり、借金の状況や手続きの進捗によっては長期間に及ぶケースもあります。

まとめ:債務整理の費用は払えない状況でも、まずは弁護士に相談を

この記事では、債務整理の種類ごとの費用相場や内訳、そして費用が払えない場合の対処法について詳しく解説しました。債務整理ができないと悩んでいる方にとって、借金問題とお金の工面に解決方法があるとお分かりいただけたと思います。

そもそも債務整理は、借金に苦しむ人を救済するための制度であり、手続きにかかる費用についても様々な配慮がされています。費用が手元にない場合でも、分割払いや後払い、法テラスの利用、受任通知による返済の一時ストップといった方法で費用を工面することが可能です。

一人で借金問題や費用の不安を抱え込まず、まずは法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に依頼すれば、あなたの借金や収入の状況に応じて最適な債務整理の方法を提案してもらえるだけでなく、費用に関する相談にも親身に対応し、無理のない支払い方法を一緒に考えてくれます。また、債権者との交渉や裁判所での手続きを一貫して任せられるため、心身の負担を大きく軽減し、安心して手続きを進めることができます

多くの弁護士事務所では、債務整理に関する相談を無料で行っています。また、費用についても分割払いや後払いなど柔軟に対応しており、依頼後は受任通知により最短即日で債権者からの督促や返済をストップできるため、費用を準備する期間を確保できます。

「債務整理の費用が不安」「弁護士に相談するのは怖い」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、弁護士はあなたの味方となり、相談者様の目線に立って丁寧に問題解決に取り組んでくれます。

借金問題は、早めのご相談が大切です。ひとりで悩まず、まずは気軽に弁護士にご相談ください。あなたにベストな解決策を、一緒に考えていきましょう。


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