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アコムの借金は任意整理できる?和解条件や注意点、できない場合の対処法まで丁寧に解説

2025年5月3日

アコムの借金は任意整理できる?和解条件や注意点、できない場合の対処法まで丁寧に解説

アコムからの借金返済に追われ、「このままでは返済が厳しい…」とお悩みではありませんか?そんな時、借金の負担を軽減する方法として検討されるのが「債務整理」です。債務整理にはいくつかの種類がありますが、中でもよく耳にするのが「任意整理」ではないでしょうか。

しかし、「アコムは任意整理に応じてくれないって聞いたけど、本当?」「アコムを任意整理すると、どんな条件になるの?」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、アコムの任意整理について、皆様が抱える疑問や不安を一つ一つ丁寧に解説していきます。アコムの任意整理の基本から、和解条件の目安、注意点、そしてもし任意整理が難しかった場合の対処法まで、具体的な情報をお届けします。

アコムの借金問題の解決に向けた一歩を踏み出すため、ぜひ最後までお読みください。

任意整理とはどんな手続き?

まず、任意整理がどのような手続きなのか、基本的なことから確認しておきましょう。

任意整理は、債務整理の手続きの一つです。これは、裁判所などの公的機関を介さずに、債権者(お金を貸した側)と直接交渉して、借金の返済条件を見直す手続きを指します。

通常、借金の返済が難しくなった方が、弁護士や司法書士といった専門家に依頼して行われます。依頼を受けた専門家が、あなたの代理人としてアコムなどの債権者と交渉を進めてくれるのです。

任意整理での交渉によって、主に以下の内容で和解を目指すことが一般的です。

  • 今後発生する利息(将来利息)のカット

  • すでに発生している遅延損害金の減額またはカット

  • 借金の元本を3年~7年程度の分割払いにすること

  • 過去に支払い過ぎた過払い金がある場合の返還

裁判所を通さない手続きであるため、債権者には任意整理の交渉に応じる義務はありません。しかし、もし債権者が交渉を拒否してしまうと、結果的に借金を回収できなくなるリスクも考えられるため、大手の貸金業者は、多くの場合、任意整理の交渉に応じてくれる傾向にあります。

任意整理は、他の債務整理方法(個人再生や自己破産など)と比較して、必要書類が少なく、手続きが比較的シンプルであることが特徴です。また、手続きにかかる期間も3ヶ月~6ヶ月程度と比較的短い傾向があります。さらに、裁判所を介さないため、家族や勤務先に知られにくいというメリットもあります。

一方で、任意整理にはデメリットも存在します。主なデメリットは以下の2つです。

  • 個人信用情報機関に事故情報が登録される(いわゆるブラックリストに載る)

  • 借金の元本そのものを大きく減らすことは難しい。減額できるのは主に将来利息や遅延損害金です。

任意整理は、借金問題解決のための有効な手段の一つですが、そのメリットとデメリットを理解した上で検討することが大切です。

アコムは任意整理に応じないって本当?

「アコムは任意整理に応じてくれない」という話を聞いて、不安になっている方もいらっしゃるかもしれません。では、この情報は本当なのでしょうか?

結論から申し上げますと、アコムは任意整理に応じてくれます。ただし、無条件ではなく、一定の条件を満たす必要があります

アコムは、多くの利用者を抱える大手消費者金融であり、債務整理の相談も多く寄せられています。そのため、債務整理を専門とする弁護士や司法書士事務所では、アコムの任意整理を扱った実績が豊富にあります。

アコムが他の貸金業者と比べて特別に厳しい対応をとるわけではありません。交渉に応じた方が、結果として借金を回収できる可能性が高まるため、和解に応じてくれるのです。

アコムからの借金には、通常のカードローンと、ACマスターカードと呼ばれるクレジットカードの2種類がありますが、いずれも任意整理の対象にすることができます。ACマスターカードのショッピング分の将来利息も交渉の対象となります。

アコムが任意整理に応じる条件の目安

アコムが任意整理の交渉に応じてくれる場合、どのような条件が目安となるのでしょうか?提供いただいた情報によると、主に以下の点が重要となります。

  1. 毎月安定して返済できる収入があること

  2. 原則として60回以内で分割払いできること

  3. 1年以上の返済実績があること

  4. 過去に支払った利息や遅延損害金は戻ってこないこと(減額対象は将来利息など)

それぞれの条件について、詳しく見ていきましょう。

1. 毎月安定して返済できる収入があること

任意整理が成立した後、減額された借金を毎月分割で返済していく必要があります。そのため、毎月安定した収入があり、その収入の中から返済に充てられるだけの経済的な余裕があることが、アコムが任意整理に応じるための重要な条件となります。

安定した収入があるとしても、収入額が少なすぎる場合や、アコムが提示する返済期間内に完済できる見込みがないほど収入が少ない場合も、交渉が難航する可能性があります。例えば、収入が不安定で月によって大きく変動する場合なども、返済が難しいと判断されることがあります。

ただし、本人に収入がなくても、家族に安定した収入があり、その家族の協力によって返済が可能であると判断される場合などには、個別の状況に応じて和解に応じてもらえることもあります。

2. 原則として60回以内で分割払いできること

アコムの任意整理では、基本的に3年(36回)での分割払いを求められることが多いです。和解の目安として、この期間で返済できる程度の収入があるかどうかが考慮されます。

ただし、借入額が大きい場合や借入期間が長い場合など、特別な事情がある場合には、最大で5年(60回)までの分割払いを認めてくれることがあります。過去には60回を超える分割払いに応じてくれることもあったようですが、近年は和解条件が厳しくなっており、60回以上での和解はほとんど期待できません

司法書士法人みつ葉グループと弁護士法人・響の共同運営メディアによると、アコムの任意整理における分割回数は、今までのカード利用年数が加味される傾向にあるとのことです。過去の和解実績の目安として、利用年数1年半で24回、2年で24~30回、2年半や3年で36回、3年8ヶ月や5年で48回、10年で48回~54回といった例が挙げられています。銀座債務整理相談室の記録では、時期によって基準が変動しており、令和7年3月時点では最長でも48回前後が目安とされていますが、5年以上の取引期間があれば60回もあり得るとの記載もあります。

現在の主流としては、36回前後が原則となり、取引期間が3年未満の場合は分割回数が少なくなる可能性があり、取引期間が3年程度で36回前後、4~5年程度で48回前後、5年を大きく超える場合に60回が検討されるようです。取引期間が短い(1年未満)場合は、さらに回数が短くなる可能性が高いです。

3. 1年以上の返済実績があること

アコムとの取引期間が短い場合や、借入から数ヶ月しか経っていない場合に任意整理を申し込むと、交渉を断られたり、厳しい条件(例えば1年/12回払いなど)を求められたりする可能性が高くなります。

これは、借りてすぐに任意整理をしようとしたり、任意整理の直前に大きな借入をしたりすると、「最初から返済するつもりがなかったのではないか」とアコム側に判断されやすくなるためです。このような対応はアコムに限らず、他の業者でも同様に見られる傾向です。

そのため、アコムの任意整理を検討する一つの目安として、アコムを2年以上利用している場合が挙げられます。この場合、利息の全カットや3年(36回)の分割払いが可能となり、任意整理による効果を実感しやすい結果になりやすいとのことです。取引期間が概ね3年~4年以上あれば、将来利息が免除される可能性が高いとされています。一方で、取引期間が1年未満の場合は将来利息の付加を要求される可能性が高く、6ヶ月未満の場合はほぼ確実に対象となると考えられます。

4. 過去の利息や遅延損害金は戻ってこないこと

アコムの任意整理では、過去にすでに支払った利息や遅延損害金が返還されることは基本的にありません。これは、貸金業者の主な収入源が利息であるためです。

任意整理で減額の対象となるのは、今後発生する予定だった将来利息や、すでに滞納している遅延損害金です。過去に支払った利息が戻ってくるのは、法改正以前の高い金利(いわゆるグレーゾーン金利)で取引があり、過払い金が発生している場合に限られます。過払い金については後ほど詳しく解説します。

この点を理解しておくことは、任意整理で期待できる効果とそうでない効果を正しく認識するために重要です。

アコムの任意整理で期待できる効果

アコムを任意整理することで、具体的にどのような効果が期待できるのでしょうか。

1. 将来利息のカット

任意整理の最大の効果の一つは、今後発生するはずだった将来利息がカットされることです。アコムの場合、基本的に将来利息はカット可能とされています。利息が0%になることが一般的です。

アコムのカードローンは、住宅ローンなどに比べて金利が高く(上限金利は年18%程度)、特に定率リボルビング方式の場合、毎月の返済額を低く設定すると、元本がなかなか減らずに利息負担が大きくなりやすいという特徴があります。この高金利の借金に対し、将来利息をカットできる任意整理は非常に有効です。

ただし、前述の通り、**取引期間が極端に短い場合(例えば1年未満)**などは、将来利息の付加を要求される可能性があります。この場合でも、契約時の金利よりは下げて交渉できることがあります(例えば18%→5%など)。取引期間が1年未満の場合は利息減額にとどまることもあります。

2. 遅延損害金の減額・カット

返済が遅れて滞納している場合に発生する遅延損害金についても、任意整理で減額やカットを交渉できる可能性があります。遅延損害金は日割りで加算されるため、滞納期間が長引くと高額になりがちです。

しかし、滞納期間が1年を超えるような長期間に及んでいるケースでは、遅延損害金の減額やカットに応じてもらえないことも多いようです。任意整理を検討するのであれば、遅延損害金が膨らむ前に、できるだけ早く手続きを開始することが重要です。

3. 返済期間の延長と月々の返済額の減額

任意整理の交渉では、借金の元本を現実的な期間での分割払いにすることで、月々の返済額を減らすことを目指します。アコムの場合、原則3年(36回)、特別な事情で最大5年(60回)の範囲での分割払いが目安となります。

返済期間を長くすることで、月々の返済負担を軽減することができます。例えば、借金100万円(金利15%)をそのまま3年(36回)で返済する場合、月々の返済額は約34,659円ですが、任意整理で将来利息をカットし、5年(60回)の分割払いにできれば、月々の返済額は約16,666円まで減らすことが可能です。これは、月々の返済負担を約1.8万円も減らせるということです。別の例では、300万円を年15%で5年間返済し続けると月々約71,369円、総返済額約428万円になるのが、任意整理で将来利息カットし60回払いにできれば、月々約6万円、総返済額約300万円になる、というシミュレーションもあります。

このように、任意整理によって月々の返済額を無理のない金額に調整し、完済を目指すことができます。

4. 過払い金の返還

2007年6月17日以前からアコムとの取引が継続している場合、過去に法律で定められた上限金利を超えた利息を支払っていた(いわゆるグレーゾーン金利)可能性があり、過払い金が発生していることがあります。

過払い金が発生している場合、任意整理の交渉の中で、その過払い金を借金の元本に充当したり、借金がすでにゼロになっている場合は過払い金として返還を受けたりすることが可能です。アコムは大手であるため、過払い金返還の実績も豊富で、交渉しやすいと言われています。

事例として、借入100万円、利用年数20年のケースでは、過払い金が発生し、返済残額50万円の支払いがゼロになり、さらに過払い金120万円が返還された例も挙げられています。

ただし、過払い金の返還請求には時効があり、最後の取引から10年が経過すると請求できなくなるため注意が必要です。心当たりのある方は、専門家(弁護士または司法書士)に相談して過払い金の有無を確認してみると良いでしょう。

アコムを任意整理する際の注意点・デメリット

アコムの任意整理には多くのメリットがありますが、いくつかの注意点やデメリットも存在します。これらを十分に理解しておくことが、任意整理を検討する上で非常に重要です。

1. ブラックリストへの登録

任意整理を含む債務整理を行うと、その事実が個人信用情報機関に事故情報として登録されます。これは俗に「ブラックリストに載る」と言われる状態です。

ブラックリストに事故情報が登録されている期間は、以下のような行動が難しくなります。

  • 貸金業者や銀行からの新たな借り入れ(カードローン、キャッシングなど)。

  • クレジットカードの新規作成。また、現在お持ちのクレジットカードも利用できなくなる可能性が高いです。

  • 住宅ローンや自動車ローンなどの各種ローンの利用

  • 誰かの借金の保証人になること

  • 賃貸物件の契約において、家賃保証会社の審査に通りにくくなる可能性。

ブラックリストに登録される期間は、完済後約5年~7年が目安とされています。この期間が経過すれば、事故情報は抹消され、再び借入やクレジットカードの作成などが可能になるのが一般的です。

クレジットカードが使えなくなるというデメリットはありますが、その代替として、銀行口座の残高から即時引き落としとなるデビットカードや、事前にチャージして使うプリペイドカード、最近ではQRコード決済なども普及しており、日常生活への影響は以前ほど大きくないと言えるでしょう。

賃貸契約についても、保証会社が不要な物件を選んだり、審査の緩やかな保証会社を利用したりすることで、ブラックリストに載っていても契約できる場合があります。

したがって、ブラックリストに載ること自体を過度に恐れる必要はありませんが、しばらくの間は新たな借入などができなくなることを覚悟しておく必要があります。

2. アコム独自のブラックリスト(社内ブラック)

任意整理によって個人信用情報機関の事故情報が抹消された後(完済から約5年~7年後)、他の貸金業者からは再び借入ができるようになるのが一般的です。しかし、アコムから再び借入をしたり、ACマスターカードを再契約したりすることは、ほぼ不可能と考えた方が良いでしょう。

これは、アコム社内に「社内ブラック」と呼ばれる独自の顧客情報が残り、一度債務整理をした顧客は「NG顧客」として扱われるためです。この社内ブラックの情報は半永久的に残ると言われています。

3. アコムのグループ会社への影響

アコムは三菱UFJフィナンシャル・グループのグループ会社です。アコムで任意整理を行ったという事実は、グループ会社内で共有されると考えられています。

そのため、アコムだけでなく、三菱UFJフィナンシャル・グループに属する他の会社のサービス利用も難しくなる可能性があります。主なグループ会社としては、三菱UFJ銀行auじぶん銀行三菱UFJニコスジャックス中京銀行などが挙げられます。これらの銀行のカードローンや、クレジットカードの利用・作成などが難しくなることが予想されます。

4. アコムが保証会社をしている銀行口座の凍結リスク

アコムは、自身が貸金業を営むだけでなく、他の銀行のカードローンなどの保証会社も務めています。保証会社とは、借りた人が返済できなくなった際に、本人に代わって銀行に返済を行う会社のことです。

もしあなたが、アコムが保証会社となっている銀行からも借入をしている場合に、アコムに対して任意整理を行うと、その銀行の口座が一時的に凍結されるおそれがあります。

具体例として、アコムは三菱UFJ銀行のカードローン「バンクイック」の保証会社を務めています。そのため、アコムとバンクイックの両方から借入がある状態でアコムを任意整理すると、三菱UFJ銀行の口座が凍結されるリスクがあります。また、アコムはauじぶん銀行のカードローンについても保証会社を務めており、同様のリスクがあります。

その他にも、アコムが保証会社をしている銀行は複数あります。例として挙げられているのは、北海道銀行、広島銀行、スルガ銀行、十六銀行、青森銀行、八十二銀行、西日本シティ銀行、長崎銀行、南都銀行、北陸銀行、常陽銀行、群馬銀行、岩手銀行、三菱UFJ銀行、山形銀行、auじぶん銀行、セブン銀行、伊予銀行、三十三銀行、宮崎銀行、武蔵野銀行、中京銀行、足利銀行、鳥取銀行、大分銀行、四国銀行、ソニー銀行、琉球銀行、山梨中央銀行などです。

もしこれらの銀行から借入があり、かつそのローンの保証会社がアコムである場合、アコムの任意整理を行う前に、口座の中身を別の口座に移しておくなどの対策を講じておくと良いでしょう。

5. 和解条件が厳しくなってきている傾向

近年、アコムの任意整理における和解条件は、以前に比べて厳しくなってきているという情報が複数のソースで指摘されています。特に、分割回数や将来利息の取り扱いにおいて、その傾向が見られます。

前述の通り、以前は60回を超える分割払いも可能でしたが、現在は原則60回以内、多くの場合36回~48回が目安となっています。特に取引期間が短い場合には、将来利息のカットが難しくなったり、より短い返済期間(1年~2年など)での和解を求められたりすることもあります。

また、家計の収支状況や債務整理に至った経緯などを以前よりも細かく聞かれるようになった、という情報もあります。

このように、アコムの任意整理条件は年々変化しており、最新の状況を踏まえた交渉が必要となります。

アコムが任意整理に応じない可能性が高いケース

前述の「アコムが任意整理に応じる条件」を満たせない場合、アコムが任意整理の交渉に応じない、あるいは和解が成立しない可能性が高くなります。主なケースは以下の通りです。

  • 毎月安定して返済できるだけの収入がない場合。収入が不安定だったり、収入額が少なすぎて和解条件を満たせない場合などが該当します。

  • 5年(60回払い)での分割払いでも完済が難しいほど借入額が多い、または収入が少ない場合。任意整理による減額(主に将来利息カット)だけでは、無理なく返済できる金額にならない場合です。

  • アコムとの取引期間が極端に短い場合(借入から数ヶ月など)。特に、借りただけでほとんど返済をしていないようなケースでは、任意整理に応じてもらえない可能性が高くなります。

このようなケースでは、任意整理以外の債務整理方法を検討する必要があります。

アコムの借金を任意整理する際の流れ

アコムの借金を任意整理する場合、どのような流れで手続きが進むのでしょうか。通常、専門家(弁護士または司法書士)に依頼した場合、以下のような流れとなります。

  1. 専門家(弁護士や司法書士)に相談・依頼。 まずは債務整理に詳しい専門家を探し、借金の状況などを相談します。相談の結果、任意整理で解決できそうであれば、専門家に依頼します。ただし、借金総額が140万円を超える場合、司法書士は代理人として対応できないため、弁護士に依頼する必要があります。

  2. 受任通知をアコムに送付。 依頼を受けた専門家は、アコムに対して、あなたが債務整理の依頼をしたこと、そして専門家があなたの代理人になったことを知らせる「受任通知」を送付します。受任通知がアコムに届いた時点から、アコムからの督促や取り立ては法律によりストップします。また、手続きが終了するまでの間、アコムへの返済も一時的にストップできます。この期間は通常、依頼から即日~3日程度です。

  3. アコムと交渉・和解。 専門家は、アコムから過去の取引履歴を開示してもらい、正確な借金残高(元本や経過利息など)を確定させます。必要に応じて利息の引き直し計算などを行います。正確な借金額が判明し、無理のない返済計画案を作成したら、専門家がアコムと将来利息のカットや分割払い期間などについて交渉を行います。交渉がまとまれば、和解契約書を作成し、任意整理は完了となります。和解交渉には通常3ヶ月程度かかります。専門家に依頼した場合、原則としてあなたが直接交渉に参加したり、和解書に署名捺印したりする必要はありません。

  4. 支払い再開。 任意整理の手続きが完了し、アコムとの間で和解が成立したら、一時的にストップしていた返済を再開します。和解契約で合意した月々の返済額に基づき、原則3年~5年(アコムとの和解条件による)かけて返済を進めていきます。

このように、専門家に依頼することで、アコムからの取り立てを止め、煩雑な交渉手続きを任せることができます。

アコムの任意整理が難しい場合の対処法

もしアコムの任意整理が難しかった場合や、任意整理をしても借金の返済が困難だと判断される場合には、任意整理以外の債務整理方法を検討する必要があります。

1. 他社からの借入を任意整理する

アコムの任意整理は難しいが、他の貸金業者からの借金もある、という場合、アコム以外の業者のみを任意整理するという方法があります。任意整理は、対象とする債権者(業者)を自分で選ぶことができる手続きです。アコムへの返済はそのまま続け、他の業者の借金を任意整理することで、月々の返済総額を減らし、アコムへの返済を継続できるように調整することが可能です。

2. 個人再生

個人再生は、裁判所を介して行う債務整理手続きです。任意整理とは異なり、借金の大幅な減額が可能です。具体的には、借金総額を最大で5分の1から10分の1程度まで減額できる場合があります(借金総額の上限は5,000万円まで)。

減額された借金は、原則として3年間(最長5年間)での分割払いで返済していくことになります。個人再生は、住宅ローンが残っている自宅など、一定の財産を手元に残しながら手続きを進められる可能性があるという大きな特徴があります。

任意整理よりも強力な借金減額効果があり、任意整理では返済が難しい場合や、自宅などの財産を残したい場合に検討される手続きです。ただし、裁判所の手続きであり、必要書類も多く、手続きも複雑になります。

3. 自己破産

自己破産も、個人再生と同様に裁判所を介して行う債務整理手続きです。自己破産が裁判所に認められると、借金の返済義務が原則として全て免除されることになります。つまり、借金がゼロになるということです。

借金がゼロになる代わりに、生活に必要な最低限の財産(一定の現金、家具、家電など)を除き、所有する財産(家、車、高価な宝飾品など)は処分され、債権者に配当されることになります。

自己破産は、現在の収入では借金の返済が全く見込めない場合や、借金総額が非常に多い場合など、他の債務整理方法では解決が難しい場合の最終手段として検討されます。借金がゼロになることで人生の再スタートを切ることができますが、財産を失うという大きなデメリットがあります。

個人再生や自己破産といった裁判所を介する手続きを行った場合、任意整理とは異なり、官報(国が発行する機関紙)に氏名や住所などの情報が掲載されるというデメリットもあります。

どの債務整理方法がご自身の状況にとって最適なのかは、借金の総額、収入、財産の状況、家族構成など、様々な要素を考慮して判断する必要があります。

アコムの任意整理を検討するならまずは専門家へ相談を

ここまで、アコムの任意整理について詳しく解説してきましたが、ご自身の状況で任意整理が可能か、またどのような条件になるのかを正確に判断することは、専門的な知識がないと難しいものです。また、アコムとの交渉も、個人で行うには大きな負担が伴い、不利な条件で和解してしまうリスクもあります。

だからこそ、アコムの任意整理を検討している方は、まず債務整理に詳しい弁護士や司法書士といった専門家に相談することをおすすめします

専門家に依頼することには、多くのメリットがあります。

  • 取り立てや督促が即日ストップする。精神的な負担から解放されます。

  • アコムとの交渉を全て任せられる。煩雑な手続きや、アコムとのやり取りを行う必要がなくなります。

  • あなたの状況に合った最適な債務整理方法を提案してもらえる。任意整理が難しい場合でも、個人再生や自己破産など他の選択肢を含めて検討できます。

  • より有利な条件で和解できる可能性が高まる。専門家は交渉のノウハウを持っており、個人よりもスムーズかつ希望に沿った和解を目指すことができます。

  • 家族や職場にバレるリスクを最小限に抑えられる。専門家は守秘義務があり、配慮をして手続きを進めてくれます。

弁護士と司法書士はどちらも債務整理を扱うことができますが、司法書士は借金1件あたりの元本が140万円を超える場合の任意整理については、代理人として交渉することができません。複数の業者からの借金総額ではなく、あくまで1社あたりの借金元本で判断されます。借金総額が大きい場合や複雑なケースでは、弁護士に依頼する方が安心できるでしょう。

弁護士法人や司法書士法人の多くが、初回無料相談を実施しています。また、匿名で借金減額診断ができるツールを提供している事務所もあります。まずは気軽に相談してみて、ご自身の状況でどのような解決策があるのか、専門家のアドバイスを受けてみましょう。

まとめ

アコムは「任意整理に応じない」という噂があるようですが、それは事実ではありません。条件を満たせば、アコムの借金も任意整理することが可能です

任意整理をすることで、今後発生する将来利息をカットしたり、返済期間を延長して月々の負担を軽減したりといった効果が期待できます。特にアコムのような高金利のカードローンには有効な方法といえます。また、過去の取引で過払い金が発生していれば、その返還を受けることも可能です。

アコムが任意整理に応じる条件としては、安定した収入があること原則3年~5年(36回~60回)での分割払いが可能であること、そして**ある程度の返済実績があること(目安として1年以上)**などが挙げられます。ただし、近年は和解条件が厳しくなる傾向にあり、特に取引期間が短い場合は注意が必要です。

アコムの任意整理には、ブラックリストへの登録による新規借入・クレカ作成の困難化、アコム独自の社内ブラック三菱UFJフィナンシャル・グループ内の他社取引への影響、そして保証会社をしている銀行口座の凍結リスクといった注意点・デメリットも伴います。

もし任意整理が難しい場合や、任意整理だけでは解決できないほど借金が多い場合には、個人再生や自己破産といった他の債務整理方法も検討することが大切です。

借金問題は、一人で抱え込まず、できるだけ早く専門家(弁護士または司法書士)に相談することが解決への一番の近道です。専門家に依頼すれば、アコムからの取り立てを止め、あなたの状況に合った最適な解決策を見つけるサポートをしてくれます。多くの事務所が無料相談を受け付けていますので、まずは一歩踏み出して相談してみましょう。


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