アコムからの督促状、一人で悩んでいませんか?届いた時の対処法とリスク、解決策を丁寧に解説
2025年5月3日
アコムからの督促状が届き、不安な気持ちでこのページをご覧になっている方もいらっしゃるかもしれません。見慣れない書類に戸惑い、どうすれば良いのか分からず、一人で抱え込んでしまっている...。そんな状況でいらっしゃるでしょうか?
督促状が届くと、「どうなってしまうのだろう」「家族にバレてしまうのでは」「財産を差し押さえられてしまうのだろうか」など、様々な不安が頭をよぎると思います。しかし、ご安心ください。督促状が届いたことは、決して終わりではありません。適切な知識を持ち、冷静に対処することで、状況は必ず改善に向かいます。
この記事では、アコムからの督促状が届いたときに何が起こるのか、そしてどうすれば最善の対処ができるのかについて、皆さまに寄り添いながら丁寧に解説していきます。
アコムの督促状とは?基礎知識
まず、アコムから届く督促状とはどのようなものなのか、基本的なことから確認していきましょう。
督促状は、借り入れをした方(債務者)が返済を滞納してしまった際に、貸し手であるアコム(債権者)から送付される、支払いを促すための通知書です。返済期日を過ぎたこと、そして滞納している金額や、新たに設定された支払い期日などが記載されています。
一般的に、アコムの借金を滞納すると、数週間程度で督促状が届くことが多いです。通常は支払期日を過ぎてから一定期間(多くの場合、1〜2週間程度)経過すると送付されるようです。
督促状が届いたからといって、すぐに法的な手続きや差し押さえが行われるわけではありません。これは、アコム側が「〇日までに支払ってくださいね」と、改めて支払いを求めている段階の書類と言えます。
もし督促状に記載された期日までに支払いを済ませることができれば、基本的に大きな問題となる可能性は低いです。返済を単に忘れていただけだったという場合は、速やかに支払いを行いましょう。
しかし、この督促状を無視してしまうと、状況は次第に深刻化していきます。督促状は、アコム側が債権回収に向けて動き出したサインでもあるのです。
アコムから督促状が届くとどうなる?無視した場合のリスクとは
アコムから督促状が届いた後、状況がどのように進んでいくかは、皆さまの対応によって大きく変わってきます。
すぐに入金すれば、大きな問題にはなりにくい
先ほども触れましたが、督促状を受け取っても、すぐにアコムに連絡を取り、滞納している金額を速やかに支払い、その後も返済を継続することができれば、大きな問題に発展するケースは少ないです。誠実な対応を取ることで、アコムとの信頼関係を維持し、より深刻な事態を避けることができるでしょう。
一時的な資金不足で支払いが難しい場合でも、アコムに相談することで、分割払いや支払い期日の変更などを検討してもらえる可能性もあります。問題を先送りにせず、まずはアコムに連絡してみることが大切です。
無視し続けると、最終的には差し押さえを受ける可能性も
一方で、督促状が届いても、返済するお金がなかったり、どのように対処すれば良いか分からなかったりして無視を続けてしまうと、状況はどんどん悪化してしまいます。
アコムは債権回収のために、段階的に強い措置を取っていく可能性があります。具体的には、電話や訪問による催促、内容証明郵便の送付、そして最終的には法的手続きによって財産を差し押さえられる可能性も出てきます。
「請求されてもどうせ支払えないから…」と考えて督促状やその後の連絡を無視し続けるのは、大変危険です。最終的に裁判所からの通知も無視してしまうと、給料などの財産を差し押さえられてしまう可能性が非常に高くなります。
このように、督促状を無視し続けることには、給料や預金といった大切な財産を失うリスクが伴います。決して問題を放置せず、早期に対応を始めることが重要です。
督促状送付から差し押さえまでの具体的な流れを解説
アコムの借金を滞納してから、最終的に財産が差し押さえられるまでには、いくつかの段階があります。ここでは、その具体的な流れを追って見ていきましょう。
メールでの催促
アコムの借金を滞納した場合、最初に届く連絡手段の一つがメールです。アコムのeメールサービスに登録している方には、返済期日の3日前と当日にメールが届くようになっています。
もし返済期日までに支払いが間に合いそうにない場合や、既に期日を過ぎてしまった場合は、メールに気づいた時点でアコムの店舗または電話にて返済期日の相談をすることも可能です。
電話での催促
メールでの案内や期日を過ぎても返済がない場合、滞納から数日以内に、アコムから確認の電話が掛かってくることが多いです。
「電話で話すのは気が進まないな…」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、可能な限り対応することをお勧めします。なぜなら、電話に出ないなど対応しないと、アコム側は「連絡がつかない」と判断し、どんどん次の段階に進んでしまうからです。
もし本人の携帯電話に連絡がつかない場合は、自宅の固定電話に掛かってくる可能性もあります。
督促状の送付
電話やメールでの催促に応じなかった場合、次に書面での通知として督促状が送られてきます。アコムからの督促状は、滞納から数週間程度、多くの場合1ヵ月以内に届くことが多いようです。
アコムの督促状は、最初に送られるものは**「ACサービスセンター」という名義になっているため、家族の方には借金や滞納の事実がバレにくいように配慮されています**。しかし、書類に記載されている内容(返済金額や期日など)を見れば、借金があることや滞納していることが一目瞭然です。
督促状は複数回送られてくることがあります。回数を重ねるごとに催促のニュアンスが強くなり、督促状の名義も「アコム」に変わる可能性があります。名義が変わると、ご家族にバレてしまうリスクも高まります。
勤務先への電話の可能性
アコムからの複数回の連絡(メール、電話、督促状)に継続して応じない場合、勤務先にも電話が掛かってくる可能性があります。
その際、アコム側は社名を名乗らずに電話を掛けてくることが多いため、すぐにアコムからの電話だと分かるわけではありません。しかし、会社の方が電話の内容を不自然に感じてしまい、不審に思ったり、皆さまの状況を心配したりする可能性はあります。
会社に借金滞納の事実が知られたとしても、通常、それだけで解雇や懲戒処分になることはありません。ただし、職場での居心地が悪くなってしまうなど、精神的な負担が生じる可能性は考えられます。周りの方に心配を掛けないためにも、また勤務先に連絡が来る前に対応するためにも、アコムからの連絡には応じ るようにしましょう。
強制解約と一括請求
度重なる催促にも応じない場合、アコムのカードが利用できなくなり、強制解約になります。これは一般的に、2〜3ヵ月程度の滞納で強制解約となることが多いです。
強制解約になってしまった場合、残っている借金について一括での返済を求められます。これは、ローン契約に含まれる「期限の利益の喪失」という条項に基づくもので、本来分割で支払うはずだった残額を一度に支払わなければならなくなるのです。
一括返済を求められる際は、「催告書(さいこくしょ)」という書類で届くことが多いです。この催告書は、アコム側が法的な手段を取る前の最終通告として送られる書類であり、この段階になると、アコム側も法的手続きに移る一歩手前の状態と言えます。
この時点で一括での返済が難しい場合は、非常に厳しい状況です。再度アコムと分割払いの交渉をしたり、債務整理を検討したりするなどの対応が必要になります。
遅延損害金の請求
アコムの借金を滞納すると、通常の利息とは別に**「遅延損害金」が発生し、請求されます**。遅延損害金とは、返済が遅れたことによってアコムに生じた損害を賠償するために支払うものです。
遅延損害金の計算方法は通常の利息とは異なり、**上限利率は20%**と定められています。アコムの遅延損害金も年率20%となっています。
遅延損害金は、借金の残高、遅延損害金年率、そして経 過日数によって計算されます。具体的な計算式は以下の通りです。
・遅延損害金 = 残高 × 遅延損害金年率 ÷ 365日 × 経過日数
仮に、借入残高が50万円で、半年間(180日)滞納した場合、遅延損害金は約4万9千円になります。本来の返済額50万円にこの遅延損害金を加えた、約54万9千円を支払う必要があるということです。
このように、返済が遅れるほど、最終的に支払う金額はどんどん増えていきます。督促状が届いた場合は、可能な限り早く対応した方が、経済的な負担を少なく抑えることができるでしょう。
信用情報機関への登録(ブラックリスト)
アコムの借金を滞納すると、信用情報機関にその情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。
ブラックリストに登録される目安としては、返済期日から2〜3ヵ月以上滞納したときです。強制解約になるタイミング(2〜3ヵ月程度)とほぼ同じ頃に、ブラックリストにも登録される可能性が高いと言えます。
一度ブラックリストに登録されてしまうと、完済してから5年間程度は解除されません。もし完済までに3年かかったとすると、合計で8年間も登録されたままになってしまうということもあり得ます。
ブラックリストに載ると、新たな借り入れやクレジットカードの作成、スマートフォンの分割購入、賃貸物件の契約などが難しくなるなど、様々なデメリットが生じます。できる限りブラックリスト登録は避けたいところです。
法的手続きへの移行
度重なる催促や一括請求にも応じない場合、アコム側は最終手段として法的な手続きに移ることになります。法的手続きとは、裁判所を通して借金の返済を求める手続きのことです。
具体的には、裁判所から「支払督促」や「訴状」といった書類が届くことになります。これらの書類は、通常の督促状とは異なり、裁判所からの正式な通知です。
これらの裁判所からの書類も無視してしまうと、債務者(皆さま)の主張を聞くことなく、アコム側の言い分通りの判決や決定が出されてしまう「欠席判決」となる可能性が高くなります。
裁判の判決や裁判所からの決 定には強制力があります。これに従わない場合は、強制執行によって財産を差し押さえることが可能になります。
財産の差し押さえ
裁判所からの決定にも従わない場合、いよいよ強制的に財産を差し押さえられることになります。
差し押さえの対象となる財産は多岐にわたります。一般的に狙われやすいのは、預貯金や会社の給料などです。その他にも、**不動産や動産(車や貴金属など)**も対象となる可能性があります。
給料が差し押さえられる場合、原則として手取り額の4分の1が毎月、会社から直接アコムに支払われることになります。例えば、手取り20万円なら、5万円がアコムに支払われ、皆さまの手元には15万円しか残らないことになります。手取り額が44万円を超える場合は、33万円を差し引いた残りの額が差し押さえの対象となります。給料が差し押さえられると、当然ながら会社に借金滞納の事実がバレてしまいます。
預金口座が差し押さえられる場合、裁判所からの命令を受けた銀行は、借金の金額にかかわらず、差し押さえが行われた時点での口座残高を一時的に差し押さえ、その後請求額をアコムに送金します。これにより、口座の残高がゼロになってしまうこともあります。生活費として当てにしていたお金が突然引き出せなくなるため、生活に大きな影響が出ます。ただし、差し押さえの対象となるのは、差し押さえが行われた時点での残高のみであり、その後に入金された分は基本的に対象外です。そのため、アコム側は給料日直後などを狙って差し押さえを実行してくることが多いと言えます。
ただし、生活に必要最低限の財産(生活保護基準の1.5倍程度の収入や、基本的な生活用品、仕事で必 要な道具など)は差し押さえの対象外と定められています。また、本人名義ではない家族の財産が差し押さえられることは、原則としてありません(連帯保証人になっている場合などを除く)。生活保護や年金受給権自体も差し押さえられませんが、受け取り後の現金や預金は対象となる可能性があります。
このように、差し押さえを受けると、日常生活に大きな支障が出てしまいます。アコムからの督促状を受け取った段階で、このような事態を避けるための適切な対応を取ることが非常に重要です。
アコムの借金は差し押さえされない?例外ケースとは
「アコムの借金は滞納しても差し押さえされない」という話を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。しかし、借金を滞納し続けた場合、金融業者は簡単に諦めるわけではなく、いずれ財産を差し押さえられる可能性は高いです。
それでも、アコムに限らず、実際に財産を差し押さえできないケースも存在します。
差し押さえられる財産がない場合
そもそも、差し押さえの対象となる財産が全くない場合は、強 制執行ができません。差し押さえの対象は、原則として本人名義の財産に限られます。
ただし、差し押さえは、原則として借金を全て回収できるまで繰り返し行われます。今は財産がなくても、将来的に預金口座にお金が入ったり、給料を得るようになったりした時点で、改めて差し押さえが実行される可能性は十分にあります。
アコムに勤務先を知られていない場合
会社の給料は差し押さえの対象となることが多いです。しかし、給料を差し押さえるためには、アコム側が皆さまの勤務先の情報を把握し、裁判所に提出する必要があります。
そのため、アコムに勤務先を知らせていない場合や、契約時から転職していてアコムが新しい勤務先を把握していない場合は、給料を差し押さえることができないということになります。転職した場合は、1回目の給与差し押さえを免れる可能性があります。
しかし、これは返済しなくても良い、ということではありません。勤務先がバレていないからといって安心せず、他の財産(預貯金など)が差し押さえられる可能性は残ります。
また、給料の差し押さえが空振りに終わったとしても、「民事執行法」に基づいてアコム側は裁判所に「財産開示手続き」を申し立てることができます。財産開示手続きでは、裁判所からの呼び出しを受け、ご自身の財産状況について正直に回答しなければなりません。この呼び出しを無視したり、虚偽の説明をしたりすると、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。財産開示手続きによって財産が明らかになれば、結局差し押さえが行われることになります。
借金の時効が成立している場合
借金には**「消滅時効」という制度があります。時効が成立し、適切に手続きを行うことで、借金の返済義務がなくなる可能性があります。この手続きを「時効の援用(えんよう)」**と言います。
アコムのような貸金業者からの借金の場合、原則として最後の返済期日または最終取引日から5年が経過すると、時効が成立する可能性があります。
ただし、以下のいずれかの行為があると、時効期間が「中断」または「更新」されてしまい、時効がリセットされることに注意が必要です。これらの行為があってから、改めて5年が経過しなければ時効は成立しません。
アコムに 対して借金があることを認めたり、支払う意思があるような発言をしたりすること(例:「借金が残っています」「少し待ってください」「分割払いにしてもらえませんか」といった発言)。
借金の一部でも返済すること。
アコムから裁判を起こされること(訴訟提起、支払督促の申立てなど)。
アコムから差押え、仮差押え、仮処分といった法的手続きを取られること。
アコムから「催告書」が届くこと(ただし、催告書による時効の更新は、催告書が届いてから6ヵ月以内に裁判上の請求などの手続きをしないと効力を失います)。
借金に時効期間が経過したとしても、自動的に借金がなくなるわけではありません。時効の「援用」という手続きを行い、「時効が成立しているので返済義務はありません」という意思表示をアコムに対して行う必要があります。この手続きをしない限り、借金の支払い義務は消えません。
時効期間が過ぎていても、時効の援用をしない限り、アコムは皆さまに対して訴訟を起こした り、差し押さえの手続きを進めたりすることが可能です。もし時効期間が経過している借金についてアコムから支払督促などの裁判通知が届き、それを無視して時効を主張しなかった場合、裁判所はアコム側の主張通りの決定を下し、皆さまの財産を差し押さえることを認めてしまうこともあります。
「数年前にアコムの借金を滞納したきり、ずっと連絡がなかったのに突然請求が来た」というケースでは、時効が成立している可能性も考えられます。しかし、時効が成立しているかどうかの判断や、適切な援用の手続きには専門的な知識が必要です。もしご自身でアコムとやり取りをしてしまうと、うっかり時効が中断してしまう発言をしてしまうリスクもあります。
そのため、時効が成立している可能性がある場合は、弁護士や司法書士といった専門家に相談することをお勧めします。専門家であれば、正確に時効期間を確認し、適切に時効援用の手続きを行ってくれます。
アコムからの督促状や裁判通知が届いた場合の対処法
アコムから督促状や、さらに進んで裁判所からの通知が届いた場合、パニックにならず、落ち着いて対処することが非常に重要です。問題を放置したり、無視したりすることは、状況を悪化させるだけです。
ここでは、皆さまが取るべき具体的な対処法について解説します。
まずはアコムの相談窓口に連絡する
もし返済が難しい状況に陥ってしまったら、督促状が届く前であっても、また督促状が届いた後であっても、まずはアコムの相談窓口に連絡すること が最も重要で最初のステップです。
アコム側も、可能な限り皆さまに返済を続けてもらいたいと考えています。現在の状況を正直に話し、返済が困難になった理由(例:仕事を失った、病気になったなど)を伝え、誠実な態度で相談することで、柔軟な対応を検討してもらえる可能性があります。
相談によって検討してもらえる可能性のある内容は、例えば以下のようなものです。
返済期日を延期してもらう
毎月の返済額を一時的に減額してもらう
返済方法の変更
相談する際は、ご自身の収入や支出の状況を正確に説明し、今後の返済計画について具体的に提案する姿勢を示すと良いでしょう。
ただし、既に長期の滞納が続いており、催告書が届いているような状況では、個人の交渉でアコム側が分割払いに応じてくれる可能性は低くなる傾向があります。この段階では、次に説明する時効の確認や債務整理を検討する段階に入っていると言えます。
アコムの総合カードローンデスクは以下の通りです。
アコム総合カードローンデスク: 0120-629-215 (受付時間 平日9:00~18:00)
借金に時効が成立していないか確認する
もしアコムからの借金について、最後に返済した日や取引があった日から5年以上が経過している場合は、借金の時効が成立している可能性が考えられます。特に、「数年前に滞納したきり、ずっとアコムからの連絡がなかったのに、突然請求が来た」というようなケースでは、時効の可能性を疑ってみることが大切です。
先述の通り、時効期間が経過しただけでは借金は自動的に消滅せず、「時効の援用」という意思表示が必要です。
時効が成立しているかどうかを正確に判断するには、専門的な知識が必要です。時効の起算点(いつから期間を数え始めるか)、そして時効が中断・更新する事由に該当していないかなどを確認しなければなりません。ご自身でアコムとやり取りすることで、時効が中断してしまうリスクも考えられます。
そのため、時効の可能性があると思われたら、まずは弁護士や司法書士といった専門家に相談することをお勧めします。専門家であれば、時効の成立を正確に判断し、皆さまの代理人として適切に時効援用の手続き(内容証明郵便を送付するなど)を行ってくれます。時効が成立していれば、借金の返済義務から解放される可能性があります。
たとえ時効期間が経過していても、時効援用をしない限り、アコムは裁判を起こしたり、差し押さえたりする権利があります。もし裁判通知が届いてしまった場合でも、時効の援用ができる可能性は残っています。裁判所からの書類を無視せず、速やかに専門家に相談しましょう。
どうしても返済が難しい場合は債務整理を検討する
アコムへの返済が現状どうしても困難で、アコムに相談しても解決が難しい場合、また時効が成立していない場合は、「債務整理」を検討する必要があるかもしれません。
債務整理とは、法律に基づき借金問題を解決するための手続きのことです。主に弁護士や司法書士といった専門家に依頼して手続きを進めるのが一般的です。
債務整理には、主に以下の3つの方法があります。
任意整理(にんいせいり): 専門家が皆さまの代理人となり、アコムなどの債権者と交渉し、将来発生する利息や遅延損害金をカットしてもらい、元金のみを無理のない範囲で分割して返済していく方法です。裁判所を通さない手続きのため、比較的柔軟に対応できる可能性があります。ある程度の安定した収入があり、毎月の返済額を減らせば完済の見込みが立つ方に適しています。
個人再生(こじんさいせい): 裁判所を通して、借金自体を大幅に減額(原則5分の1または100万円の大きい方の額まで)してもらい、残りを原則3年(最長5年)で分割して返済していく方法です。借金の額が大きい方や、収入が減少して任意整理では完済が難しい方などが利用します。特定の条件を満たせば、住宅ローンの残っている自宅を手元に残しながら手続きを進めることも可能です(住宅資金特別条項)。
自己破産(じこはさん): 裁判所に申し立てを行い、借金の返済義務を原則として全て免除(帳消し)してもらう方法です。借金の額が非常に大きく、収入や財産をもってしても返済が全く見込めない場合に選択される最終手段です。生活に必要な最低限の財産を除き、一定以上の価値のある財産は処分されて債権者に分配されることになります。借金理由によっては免責が認められないケースもあります。
これらの債務整理の手続きは、アコムから裁判通知が届いている段階でも可能です。特に個人再生や自己破産は、法的な強制力をもって、強制執行による差し押さえ手続きを中断させる効果があります。既に給料や預金口座が差し押さえられてしまっている場合でも、自己破産や個人再生の手続きを進めることで、差し押さえを停止し、再び給料を満額受け取れるようになる可能性があります。
債務整理には、借金問題を根本的に解決できるという大きなメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。
信用情報機関に事故情報が登録される(ブラックリストに載る)。これにより、手続き後原則として5年~10年程度は、新たな借り入れやクレジットカードの利用などが難しくなります。
手続きの種類によっては、保有する財産を処分する必要がある。
自己破産の場合、一定期間、特定の職業や資格が制限されることがあります。
誰かに債務整理の事実が知られてしまう可能性が全くないとは言えません。
税金や養育費など、一部の借金は債務整理をしても免除されない場合があります。
どの債務整理の方法がご自身の状況にとって最適なのかは、借金の総額、収入や財産の状況、返済の見込み、ご家族の状況など、様々な要素によって異なります。
アコムから督促状や裁判通知が届いているような状況では、早期かつ適切な対応が不可欠です。一人で悩まず、必ず弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、ご自身の状況を詳しく聞き取り、最善の解決策を提案してくれます。また、専門家に依頼した時点で、アコムからの直接の取り立てや連絡がストップすることが期待できます。
アコムからの裁判通知について
アコムからの督促状を無視し続けると、最終的には裁判所からの通知が届きます。この段階は、通常の督促状とは全く異なり、非常に緊急性が高い状況です。
裁判通知は差し押さえの一歩手前
アコムから裁判所を通して通知が届いたということは、アコム側が法的な手段による借金回収を開始したことを意味します。具体的には、「支払督促」を申し立てられたり、訴訟を起こされたりしていると考えられます。
この裁判通知が届いた状態は、財産の差し押さえに発展する一歩手前の段階と言えます。これを無視してしまうと、裁判所の決定に基づいて、給料や預金などの財産を強制的に差し押さえられてしまう可能性が非常に高くなります。
支払督促とは?
裁判所から届く通知の中でも、「支払督促(しはらいとくそく)」は、通常の訴訟手続きよりも簡単に差押えの権利を得られる裁判手続きです。費用も訴訟の半額程度で済み、手続きが比較的簡略化されているため、アコムのような貸金業者がよく利用する手続きです。
支払督促が申し立てられると、簡易裁判所の書記官が書類を審査し、アコム側の主張のみに基づいて皆さまに支払いを命じる決定を出します。
この支払督促の決定書がご自宅に届いてから2週間以内に、「異議申立書」を裁判所に提出しない場合、アコム側は「仮執行宣言の申立書」を提出することができます。そして、仮執行宣言付支払督促が届いてから、さらに2週間以内に異議申立書を提出しない場合、アコム側に強制執行(差し押さえ)を行う権利を与えてしまうことになります。
つまり、支払督促に対しては、合計2回、異議を申し立てる機会があります。もし異議申し立てを行うと、裁判の舞台は「通常訴訟」に移行し、改めて審理が行われることになります。
しかし、これらの異議申し立てのチャンスを逃してしまうと、アコム側の主張通りの決定が確定してしまい、審理されることなく差し押さえが可能になってしまう可能性が高いです。
裁判通知を無視した場合の深刻なリスク
アコムからの裁判通知(支払督促や訴状など)を無視することは、絶対に避けるべきです。無視した場合、以下のような非常に深刻なリスクが生じます。
アコムから強制執行の申し立てをされ、給料や預金などの財産を差し押さえられる。一度差し押さえが認められると、借金を完済するまで継続される可能性があります。
元金だけでなく、支払督促申立て日までの確定利息や、その後完済日までの遅延損害金全額がアコムの債権として確定してしまう。無視している間も遅延損害金は加算され続けます。
たとえ借金の時効期間が経過していたとしても、時効の援用を主張できなくなる可能性があります。裁判所の決定が確定してしまうと、その後から時効を主張することは非常に困難になります。
専門家(弁護士など)が介入しても、アコム側との交渉(任意整理など)が難しくなる。特に、既に差し押さえが始まっている場合は、アコムは交渉に応じず確実に債権を回収しようとするため、任意整理での解決は困難となるケースが多いです。
さらに、2020年4月1日に施行された改正民事執行法により、債務者の「逃げ得」が許されにくくなりました。裁判所からの財産開示期日への出頭を無視したり、虚偽の回答をしたりした場合の罰則が強化され、6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられる可能性があります。
このように、裁判通知を無視し続けることは、借金問題をさらに悪化させ、ご自身の信用や財産を大きく損なう行為です。裁判所からの書類が届いたら、一人で抱え込まず、速やかに弁護士や司法書士といった専門家に相談することが最も重要です。専門家が、法的な手続きへの対応や、最善の解決策についてサポートしてくれます。
よくある質問
アコムからの督促状に関して、よくある質問とその回答をまとめました。
督促状はどのような名義で届く?
最初に送られてくる督促状は、「ACサービスセンター」という名義で届くことが多いです。これは、ご家族に借金や滞納の事実がバレにくいように配慮された名義です。
しかし、督促状が複数回送付される場合、名義が「アコム」に変わる可能性もあります。名義がアコムになると、ご家族に知られてしまうリスクが高まります。
アコムを滞納したらブラックリストに載る?
はい、アコムの借金を滞納した場合、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ります。
ブラックリストに登録される目安は、返済期日から2〜3ヵ月以上の滞納です。一度登録されると、借金を完済してから5年間程度は解除されません。ブラックリストに載ると、新たな借り入れやクレジットカード作成などが難しくなります。
支払い遅れのハガキはいつ届く?
アコムの借金を滞納すると、メールや電話による催促の後に、督促状(ハガキ形式の場合もあります)が送られてきます。
通常は、滞納から数週間以内に催促のハガキ(督促状)が届くことが多いです。ハガキが届いたということは、アコム側が返済を強く求めている段階ですので、受け取ったらすぐに内容を確認し、対応することが大切です。
まとめ:早期対応と専門家への相談が解決への鍵
アコムから督促状が届いたとき、誰しも焦りや不安を感じるものです。しかし、パニックになる必要はありません。督促状はあくまで「支払って ください」という通知であり、記載された期日までに返済できれば、基本的に大きな問題には発展しません。
最も重要なのは、督促状を受け取った時点で問題を放置したり、無視したりしないことです。無視し続けると、遅延損害金が増え続け、ブラックリストに載り、最終的には裁判所からの通知、そして財産の差し押さえへと段階的に進んでしまうリスクが非常に高いからです。
現実的に借金の返済が難しい状況にある場合は、一人で悩まず、できるだけ早く以下のいずれかの対応を検討されることを強くお勧めします。
アコムの相談窓口に 連絡する: 返済が困難な事情を伝え、返済期日の延長や返済額の相談をしてみましょう。誠実に対応することで、解決策が見つかる可能性があります。
借金の時効が成立していないか確認する: もし最後の取引から5年以上経過している場合は、時効の援用ができる可能性があります。ただし、時効の判断や手続きは専門家でないと難しいため、弁護士や司法書士に相談しましょう。
債務整理を検討する: どうしても自力での返済が難しい場合は、任意整理、個人再生、自己破産といった債務整理によって、借金を減額・免除できる可能性があります。既に裁判通知が届いている場合や差し押さえが進んでいる場合でも、債務整理で解決できることがあります。
いずれの対処法を検討する場合でも、借金問題や法的手続きに詳しい弁護士や司法書士といった専門家に相談することをお勧めします。専門家は、皆さまの状況を正確に把握し、最善の解決策を提案してくれます。また、専門家に依頼することで、アコムからの直接の連絡や取り立てがストップし、落ち着いて問題解決に取り組むことができるようになります。
一人で抱え込まず、専門家と共に解決への一歩を踏み出しましょう。早期に対応することで、より良い結果に繋がる可能性が高まります。